3.ソメイヨシノの見分け方 … A

  ソメイヨシノをどのように見分けるかですが、先ほどのようにさくらの仲間は実際には数多くの品種があり、その見分け方は研究者でも難しいものです。しかし、まず街中の公園や学校などに植えられている一重の白色〜微淡紅色のさくらで、葉が広がる前にたくさんの花を咲かせのは、そのほとんどがソメイヨシノであると考えていいと思います。しかし、さくらの樹種を保存しているような植物園や大規模なさくらの名所ではソメイヨシノと似た種類が植えられていることがありますので注意して下さい。

1.花が咲くときに葉が出ていない。
   (カンザクラ・エドヒガン・ソメイヨシノ)
 
この3種類は見た目はかなり似ています。カンザクラはいくつかの品種がありますが2月下旬には花が咲き、ややピンク色が濃いものが多く、花が咲いている期間も長いものが多いです。ピンク色が濃い伊豆のカワヅザクラもこの仲間です。花はよく似ていますが、かなり早く咲くのでソメイヨシノではないとして正解です。

 エドヒガンソメイヨシノよりも少しだけ花が咲くのが早く、彼岸のころに咲くため、場合によっては迷うところですが、花の大きさは明らかにソメイヨシノよりも小さく(花の直径2〜2.5cm)、チカチカした感じで、樹木全体は大きく育ちます。そのため天然記念物に指定されているエドヒガンも少なくありません。普通はシダレザクラというとエドヒガンの仲間であることが多いです。

2.花とほぼ同時に葉が広がる。
  (ヤマザクラ・オオシマザクラ・カスミザクラ・サトザクラ類)
 これらは花とほぼ同時に葉が広がり始めるため、ソメイヨシノと間違えることはそうはありません。しかし、ソメイヨシノであっても花が終わる頃には葉が広がり始めます。カスミザクラサトザクラ類は花が咲く時期が遅いので問題ありませんが、ヤマザクラオオシマザクラは花が咲く時期が近いので注意が必要です。花が咲きはじめた時期に明らかに葉が伸び始めているかどうかよく確認をして下さい。

  花が咲く前に調査木を選んでしまうと、まれに違うさくらを選んでいることも出てくるでしょう。このような時は冷静に対処して下さい。ソメイヨシノよりも早く咲くさくらはそんなに種類はありません。また、一斉に咲いて最もよく目立つのはソメイヨシノです。周りのさくらが咲いているのに明らかに花が咲きそうにないとか、周りのさくらよりも際立って早く咲いているのは、明らかにソメイヨシノではありません。それがわかった時点で、調査木を変えることも充分考えられます。

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