3.ソメイヨシノの見分け方 … @

 さくらといえば、ソメイヨシノを思い出すほどポピュラーなものになっています。さくらの開花調査にそのソメイヨシノを使う理由は、全国的に学校・公園・街路樹などで数多く植えられていること、それから、ほぼ全国的に接ぎ木などでふやしたものが多く、どの個体も遺伝的にほぼ同じである可能性があり、調査対象として最適であることなどからです

それでは、調査対象木のソメイヨシノの見分け方をあげておきます。ソメイヨシノは一般的に江戸時代の終わりの頃に、江戸染井村(現在の豊島区)の植木屋から、「吉野桜」と名づけて売り出された品種であるといわれています。このソメイヨシノの起源は、はっきりと決着がついているとはいえませんが、サクラの研究に力を注いだ竹中要博士(1965年)による、オオシマザクラエドヒガンの雑種で、オオシマザクラエドヒガンが共に自生している伊豆半島で発生して、それを植木屋が伊豆から持ち帰ったものであるとする説が有力です。しかし、他にもソメイヨシノは雑種ではなく独立した種あるとする説や、オオシマザクラエドヒガンの単なる雑種ではなく、複雑なかけあわせで発生したとする説もあります。例えば、さくら開花調査トップページのサクラの写真は、実はソメイヨシノではありません。オオシマザクラエドヒガンの雑種ですが、竹中要博士がソメイヨシノの研究中に得られたサクラで、ミカドヨシノといいます。花は少しだけソメイヨシノよりも大きくなりますが、その特徴はソメイヨシノによく似ています。この両者の見分け方は非常に難しく、私達が開花の調査をする時には特に区別する必要はありません(できないとしたほうがよい・・・ )。

サクラの木とはどのようなものでしょうか。毎年サクラの開花を見ている方ならばサクラの木がどこにあって、どの木なのわかっていると思います。しかし、意識していないと、まだ春早い季節ではサクラの木なのかあるいは違う種類の木なのか区別できないかも知れません。このような状態でサクラの木を見分けるためには樹肌を見るしかありません。サクラの木の樹肌には特徴があります。一般的にさくらの仲間の樹肌は紫褐色で、光沢が見られ横方向に細長い皮目があります。他の樹木との違いはこの点で判断できます。しかし、サクラの品種の違いまではわかりません。

サクラの樹肌→

 

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