2003年さくら開花前線

 さくら開花調査に参加して頂いた栃木県の大門禎広様から、今年のさくら開花の状況のまとめの報告が届きました。さくらの開花に関する考察として、ご覧下さい。

桜開花日の推定方法  

桜開花日の推定方法

  一般に桜は日平均気温が10℃で咲き始めます。そのため、季節の進行と共に南の地方から北の地方へと咲いていきます。しかし、関東から西の地方では南から咲き始めるわけではなく関東が最初に咲くこともあります。
 桜の花芽には冬季にある程度の寒さにより休眠が打破されますが、暖かい地方では休眠打破が完全になされないため開花が遅れ、日平均気温が10℃より高い気温にならないと咲かなくなります。

  桜の開花ステップ

花芽の形成

(夏)

休 眠

(秋〜冬)

成 長

(春)

開 花

                   

一定期間の
低温により
休眠打破

桜の開花ステップ  

   そこで、平年値で日平均気温(最寒日気温という)と桜の開花日の日平均気温(開花日気温)の関係を調べると下図のようになります。

となり、最寒日気温3℃付近で傾向が大きく変わり

3℃以下は 開花気温=10℃ になる 

3℃以上は 開花気温=0.6775×最寒日気温+7.6913 

で咲くことがわかりました。 これにより開花日の推定値をアメダス地点ごとに計算し、実測データ(埼玉支部及び気象庁のデータ)で補正をして開花日の図をつくりました。 なお、各年の最寒日気温及び開花日気温はは19日移動平均をとったものを使用しています。

 2003年さくら開花前線