2−1 地衡風
問題: 等圧面高度差は気圧差に比例することを証明せよ
解答:
二点 A,Bが等圧面上にあるとする。
他点 Cを Aの鉛直下方にとるとき、
CAの気圧差,CBの気圧差は等しい。
鉛直下方の高度差と題意の等圧面高度差は同じであるから、
題意は証明されたことになる。
ポイント: 式 △P=ρg△Z は、
鉛直方向の力の釣合いを表し、
△Pは 鉛直方向の気圧差でありますが、上記より
水平面の二点の気圧差と見なすこともできます。
この気圧差と高度差は比例関係にあるので、
等圧面の高度差より風速を求めることができます。
2−2
2−2 地衡風
問題: 地衡風の風速を求める公式を導くこと。
解答: 単位重量の大気に関する力の釣合いを考える。
気塊を x・y・z 方向 の直方体として考える。
Y方向の
気圧差による力 =△P・△X・△Z 1式
直方体の 体積 =△X・△Y・△Z 2式
の 重量 =ρ・体積 3式
単位重量あたりの力=1式/3式
これが気圧傾度力 G です。
G=1/ρ・△P/△Y 4式
一方、単位重量の気塊が速度vで運動するときは、
コリオリ力 f が発生する。
G と fが 釣り合った状態を地衡風という。
f=2Ωv・sinψ 5式
2Ωv・sinψ =1/ρ・△P/△Y
より 風速vを求める。
低緯度では、コリオリ力の影響は無視できる。
しかし、回転による遠心力を考慮する必要が生ずる。
2−3
2−3 地衡風
問題:1995.6.14日付の新聞天気図(700hPa)
によれば、
26゜Nでの高度が 3120m,
34゜Nで 3060m
であった。
両緯度間の風速・風向を求めよ。
遠心力や摩擦力は無視できるものとする。
計算:
△P=ρg△Z
△L=800km,ψ=30゜ とする。
1/ρ・△P/△L=2Ωv・sinψ
より、
v=12m/s の西風
注) 摩擦力は、境界層よりも上空(1000m以上)ならば、
無視できる。
2−4
2−4 渦度
問題: 或る地点(高度Z´)を中心として、その東西南北の
等圧面高度をZi ,メッシュ間隔をd とするとき、
中心点の渦度は
ζ=Σ(Zi −Z)/d
で与えられる。
これを、地衡渦度という。
渦度が高度の関数であることを証明せよ。
解答: 渦度の定義は
ζ=△v/△L
であるから、
風速vが高度の関数であることを言えればよい。
vは△Pに比例する。
水平方向の気圧差△Pは、等圧面の高度差△Zに比例する。
∴ vは△Zに比例する。
これにより、題意は証明された。
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