Originated: 2013-09/16, Last Updated:2013-09/17

海水面吸い上げ実験 竜巻実験 雲を作る実験


#010  実験01
   ストローでジュースなどを飲むとき、台風の気圧を思い出してください。
      さて、台風の気圧に相当する水位まで吸い上げることができるかな?

#011  実験タイトル=台風の海水面の吸上げ効果実験

#012  実験の狙い=空気の力を体感する

ペットボトル4本の巨大ストローで水を吸い上げる
#013 実験装置の製作 and/or 準備 ・円筒形のペットボトル数本(1.5〜2リットル)を用意します    ・胴体をつなぎ合わせて、1本の長く&太い筒を作ります。    ・これが巨大ストローとなります。 #014 実験の実行と結果 ・ストローの下部を水の入ったバケツにつけます。    ・上部から(ジュースを飲むときの要領で)口で吸い出します。    ・ストローを吸うとストロー内部の圧力が低下し、ペットボトル内に     水が上昇してきます。    ・上昇した水位を定規で測ります。 #015 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・児童が吸いやすいように、普通のストローをビニールパイプに連結します。    ・この普通のストローは、児童が変わるごとに、差し替えて交換可能とします。    ・ビニールパイプを、ペットボトルの蓋の穴(事前に開けておく)を通し、気密を保つため、     強力な接着剤で隙間を固めます。    ・ペットボトルをつなぎ合わせるとき、継ぎ目において気密を完全に保てるようにします。     (継ぎ目に透明テープ等を使ってもよいでしょう。)    ・児童が水を吸い上げると水位が上昇してきます。このとき、助手は、     巨大ストローが倒れないようにストロー本体を支えます。    ・次の子供が行うときには、巨大ストロー内の水を抜きます。    ・なお気象予報士相手に実験するときには、ペットボトル内の気圧を測定します。     下の写真で装置全体の様子および気圧計の示度(966.8hPa)を示します。     このときの水位上昇は巻尺で測ったところ、バケツの水面から約45cm     であり、また装置の周りの気圧は約1011hPaでした。     約44hPaの気圧差ができていたことになります。
 装置の全景と吸い上げ過程
 気圧計示度
#016 実験の解説 and/or 関連実験 ・水面上昇1cmは、気圧1hPaに相当します。台風の中心気圧が950hPaならば、     およそ50〜60cm海水面が上昇します。    ・空気の圧力と海水の上昇による水の重さのバランスがどの高度で保たれているかの     言及が必要です。    ・
実験19高気圧を作る、で高気圧の場合(水面低下)の実験を行います。 #017 【追加実験、考察等】    ・さて、海水面、湖面、ダム等の貯水池の水面、或いは、バケツに汲み置きした水面など、     いろんな水面があるが、実際に台風が本土へ接近あるいは上陸した場合、それぞれの水面は、     「上昇」するだろうか? 水位上昇を「実視」するにはどういった実験装置を作ればよいだろうか。    ・原理的には、本実験装置を逆用すれば良いでしょう。しかし、多少工夫が必要です。    
台風が来た時の水位上昇計測装置の概念図です。
気圧の値は例示ですが、気温や水蒸気圧による影響も別途要考慮です。
予備実験として空気タンクに息を吹き込み、60hPa程度増圧します。
連通管に水を入れ、タンクと連通管を連結しました。水位差は約60cmです。
本番時には、台風最接近予定時刻の6時間ほど前の現地気圧の空気を
空気タンクに封入します。
・なお、台風時の衛星画像と天気図を気象庁のHPから引用させていただきます。
天気図、2008Sept12、0900JST
気象衛星画像、2008Sept12、0900JST T0813
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#M20 実験M2    竜巻のタッチダウンの様子を、水の渦で、見てみましょう。    排水のための穴に水が渦巻きながら吸い込まれていく様子にも似ています。    洗面所や浴槽で水を流す時に見られます。    この実験#M2をベースとした実験:★ タッチダウンする竜巻を作ろう、 後援:川崎市教育委員会、も参照してください。 #M21 実験タイトル=タッチダウン #M22 実験の狙い=竜巻のタッチダウンをたのしむ。      
@タッチダウンの実験です
ペットボトルの構造、底部に平板、小穴あり
Aタッチダウン
小さい泡が下がり、次に渦が垂れ下がってくる
Bタッチダウン
渦が底部の小穴に届く
以下は、別の形状のボトル(500CC)を使用した。ただし、平板は用いず、ボトルの底部に小穴をあけた。 工作は、ボトルの底部に小穴をあけただけです。
Cタッチダウンの実験です
垂れ下がり
Dタッチダウン
小さい泡と渦の垂れ下がり
Eタッチダウン
渦が底部の小穴に届く
以下は、アクリルのコップを使用した。コップの底部に小穴をあけた。 小穴にビニールチューブを差し込んで、吸入部分の高さを変えられるようにした。
Fタッチダウンの実験です
構造
Gタッチダウン
渦の垂れ下がり
Hタッチダウン
渦がチューブの小穴に届く
以下は、1.5Lのペットボトルを胴体の部分で二分し、蓋に子穴をあけ、蓋の部分には5円玉を挟んで、 全体を構成したものです。二分した両方の部分を、水受け部分、および渦形成部分として使っています。
Iタッチダウンの実験です
構造
Jタッチダウン
渦の垂れ下がり
Kタッチダウン
渦が蓋の小穴に届く
#M23 実験装置の製作 and/or 準備 ・円筒形のペットボトル、プラスチックカード     →→四角いペットボトルでも回転力が強ければ、タッチダウンする竜巻ができます。→#M27    ・ペットボトルの底部を切り離し、プラスチックカード或いは、     コンビニ弁当の蓋などの平板を、ペットボトルに接着剤で貼り付けます。 ・ペットボトルの底は、平板となります。    ・平板の中央部に直径5mm前後の小穴を開けます。    ・接着が完全になったら、水漏れがないかどうかチェックします。 #M24 実験の実行と結果 ・ペットボトルに水をいれ、ボトル全体を回転し、ボトル内部の水に     回転力を与えます。    ・水が小穴から流下し、やがて、渦が小穴めがけて、垂れさがっていきます。    ・渦が、小穴にタッチダウンします。    ・実験11の竜巻の作り方とは異なっています。実験11の竜巻は、ボトル下部から     空気が上昇していき竜巻の形となりました。この実験M2の竜巻では、渦は、水面から     垂れ下がっていくのが特徴です。器具の構造としては、ボトルが、密閉空間であるか、     解放端を有しているかの違いがあります。 #M25 実験を効果的に行うための工夫、注意点等    ・平板を使うのは、タッチダウンを見やすくするためです。 ・ボトルは、ボトル全体を回転し、上から下まで、水全体が回転することが大事です。    ・小穴の直径は、試行錯誤で決めてください。     500CCのボトル+直径5mm程度の小穴でタッチダウンが実現しました。 #M26 実験の解説 and/or 関連実験 ・解放端を設けない場合は、渦巻の形成がほとんどありません。    ・解放端があると、空気は排水口から(泡となって)登ってくることはありません。     穴の直径が小さい場合は、水がガシャガシャ流下することもありません。 #M27 【追加実験、考察等】    ・平板を設けなくても、タッチダウンは可能です。    (写真、C、D、E。写真F、G、H、および写真I、J、K)    ・排水口にパイプを連結したり、水中に浸けても渦が形成されます。    ・洗面器の底面、中心部に直径2cm程の穴をあけて、水を回転すると、やはり渦ができます。    ・渦の回転中心が穴の中心から外れると、渦の発達が止まります。     渦の回転中心が穴の中心と一致すると、弱っていた渦が再び勢いを取り戻します。        ・四角いペットボトルでも、回転力が強ければ、タッチダウンする竜巻ができます。         ・別の種類の渦巻の作り方:     実験11 竜巻2重連。    ・関連実験:     EXPM01 台風の海水面の吸上げ効果実験     EXPM64 渦の下の圧力 (回転流体下の静水圧実験)        EXPMA9 スピンダウン     EXPMM3 気圧のバランス    ・タッチダウンのVideo:    タッチダウン       タッチダウン    ・TornadoVideos.net、You Tube より引用: Kansas on June.12,2004 Manitoba on June 22, 2007          ・海外の気象関連実験:    ・米国の気象実験(トルネード等)    ・米国の子供向けの気象実験    ・米国の子供向けの気象実験    ・米国のトルネード実験と竜巻のときの注意    ・米国の子供向けの気象実験    ・米国、物理・天文などの実験、子供向け。実演。    ・米国、物理、Home Experiments    ・Home Experiments
#210 実験21    気象予報士定番の「雲を作る」実験です。いろんなやり方があります。    また、結果はその時の加圧条件や気象条件にも左右されます。    本実験では、断熱膨張を実現するためペットボトル内部の空気を加圧し、    栓を一気に引き抜いて膨張させる方式を採用しています。 #211 実験タイトル=白雲を作る #212 実験の狙い=空気中に水蒸気があることを目に見えるようにする #213 実験装置の製作 and/or 準備 ・500CCのペットボトル、ゴム栓、空気入れ #214 実験の実行と結果 ・ゴム栓に穴を開けます。千枚通しとか太い釘をガスで加熱して、     ゴムの中心部分に突き刺すと、比較的容易に穴が開きます。    ・空気入れは、写真のような100円ショップで売っているもので十分です。    ・空気入れの先端に先のとがったノズルを取り付け、ゴム栓に突き刺し、     栓をボトルにはめ込みます。これで写真のように全体が連結されます。    ・空気入れで加圧していきます。絶対気圧=2気圧程度で栓を一気に抜きます。    ・ボトル内部に「白雲」が生じ、雲がモヤモヤうごいています。    ・圧力が高いほど白雲となりやすいです。    ・加圧した時は、ボトル内部は透明になり、減圧した時は内部が白濁します。    ・水も、線香の煙も不要です。 #215 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・空気を入れる人、ボトルを保持する人の2人で行うとよいでしょう。    ・栓を抜くときには、ゆっくり抜かずに、一気に抜くことが肝要です。    ・湿度が低い時には、この実験は成功しにくいかも知れません。 #216 実験の解説 and/or 関連実験    ・ボトル内の空気は、蓄えた圧力エネルギーを一気に解放するとき、     系(ボトル)の外部に対し「仕事」をします。    ・このとき、空気は、外部と熱の授受を行っていません。 ・すなわち、空気は断熱的に膨張し、自分自身の温度を下げます。     この下げた温度が、ボトル内部に存在していた水蒸気を液化・凝結させ、     微小な水滴を形成させました。    ・ゲージ付きの空気入れを使うと、加圧時の圧力が分かります。    ・また、室内の気圧、気温、湿度は測定可能な物理量です。ボトル内の露点温度を     算出し、知ることができます。(エマグラムがあると便利です) #217 【追加実験、考察等】    ・以下4例あげます。    @加圧の方式を、密閉したペットボトルの胴体を両手で強く押してへこますことによって実現します。     このときの減圧の仕組みは、ペットボトルの材質自身が持っている原状への形状復帰能力     によります。水が必要です。雲ができにくい時は、「核」とするために、線香の煙を少々ボトルの中に入れます。     この方式は、ほとんど確実にできます。     写真左:押して加圧(ボトル内部が透明になる)。写真右:手を緩めて減圧(ボトル内部に白煙が生じる)。    A加圧不要な方式として、ワインセーバーを使ってボトル内部の空気を減圧してもよいでしょう。     この方式は、雲のでき方があまり明瞭ではありませんでした。     しかし、線を抜いたときにボトル入口付近の雲が透明になっていく様子が観察されました。 写真(全景、ピストン操作で減圧、栓をぬいて元の気圧に戻した)    Bデモ効果を狙うなら、加圧・減圧に風船を使ってみましょう。     風船を膨らませ加圧し、細いメスシリンダーに連結し、針でつついて破裂・減圧させます。     騒音公害にならないような配慮が必要です。風船の消耗が不経済である欠点があります。     この方式は、結果が明瞭ではありませんでした。 写真(膨らませた風船を連結し加圧、破裂させて減圧)    Cガラスコップに冷水を入れ、空気中に放置します。     空気中の水蒸気はコップの壁面で、「露点温度」にまで冷やされ、水滴となります。     この方式は、確実にできます。 写真(常温放置、一定時間経過後露点)    ★飛行機が音速を超えるとき、こんな雲ができるのです。(NASAの画像です)     NASA画像   
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