トップページへ戻る 予報士試験
以下、正解を保証するものではありません。
なお、解説文中のリンク先は、拙著「天気図と気象理論」を主体としてリンクしています。
Last Updated: 2004-03/18, 3/19
平成15年度第2回(平成16年1月実施)気象予報士試験、解答予想及び検討
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実技1試験解答予想と検討
問1
(1)天気図解析の基本的な知識と技能を問う、穴埋め問題
1 18(hPa) 2 西高東低 3 22(hPa) 4 18(hpa) 5 5100(m)
6 東北 7 間隔 8 等高度線 9 等温線 10 寒気移流 11 東
温度の線と高度の線が交差していれば、寒気又は暖気の移流が生じます。
問題文末尾の文章に注目:米子と輪島の風向が逆転している。→循環があると推定されます。
(2)天気図の読図、低気圧の解析
@ Lの位置を間違えないこと
数値は、容易に読み取れるはず。省略します。
A 上層に低気圧あり、その下層には低気圧なし、の構造です。
上層の大気の温度が低いため、その大気の層の厚さが薄くなり、周りに較べて、低圧となること
を理解していれば良い。
問2
(1)気象衛星画像の見方
1 寒気 2 筋 3 強い 4 低 5 高 6 発達
衛星画像を見たときの基礎的な知識を問うものです
この問題は、衛星画像が無くても答えられます。
(2)収束線
@ 典型的なJPCZ であることを想起してください。
A Eの対流雲の文章を引用すること
問3
(1) 渦状エコー
@Bならば、両地店の風向は、同一時刻において、ほぼ同じになるべき。
よって、@とBは棄却されるべき。
9時から10時に両地点の風向・風速から判断すると、擾乱の形成が
可能であることが分かる。また、擾乱は輪島に近い方を通過したと推定される。
(2) 局地的な天気
地域的に、突風、驟雨(又は驟雪)が発現する。
雨量分布、矢羽根の強さの時間変化に注目する。
問4
(1) 積雪深
12時間降水量予想であることに注意すること。
33mmの降水量→2日21時から3日朝9時の12時間で33cmの積雪と予想される。
(2) 風と天気の予想
一見面倒なように見えますが、初期時刻や予想対象地点、参照図の時刻を
ハッキリと押さえて、焦らずこなしていくことが肝要。
特に、名古屋と東京の違いをすばやく見つけておくと、気が楽になります
名古屋は、黒っぽい。 東京は、白っぽい。
名古屋は、北西の風、降雪あり。
東京は、北西の風、降水は無い。
名古屋の地上気温は、氷点下と推定する:
根拠→850hpaにて、-10〜-8℃ と読み取り、
気温の上昇は、(高度に関する情報が無いが、maxでも1500m と仮定すれば)、
9℃以下の上昇。
問5
(1) 波浪図の読図
西北西、35KT、5m、10秒、東南東
(2) 波高
波の高さは、空気の高さと同様、「位置エネルギー」の大小の問題です。
すなわち、海水を高いところへ持ち上げる要因を考えるとき、エネルギーを与えるものは
何かを考えることが大事です。
波高は、風速の大小、陸地に向かった波が陸地に反射されてもどってきて高さが合成される、
海底の深度、湾の形状、気圧の大小、複数の波の重なり、遠方の台風によるうねり、
長距離の風の吹走、地震による津波の影響等を受ける。
問題の場合、両地点の違いとしては、波の卓越方向に、陸地の存在および海底の深度が
漸減することが考えられる。
参考→ 有義波
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実技を突破するには、常日頃から、天気図、衛星画像、レーダー画像、アメダスの気温、
風等に親しんでおくと良いでしょう。
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実技2試験解答予想と検討
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問1
(1)地上天気図を見ての穴埋め問題
1 10(kt) 2 驟雨 3 驟雨 4 温暖 5 9(℃) 6 10(kt)
7 南 8 南西 9 日本 10 オホーツク 11 海上濃霧 12 海上強風
警報や注意報の正確な名称は、つい忘れがちになります。
何種類もあります。気象庁のHPにも記載があるはずです。
(2)水蒸気画像&関連現象
水蒸気画像の黒は乾燥・下降流、白は湿潤・上昇流、を意味します。
@南側は湿数が大きく、北側は湿数が小さい。
A雷、驟雨
問2 エマグラムを用いて答える
(1) 75%、48%
(2) 830hPa
(3) 840hPa
(4) 気温上昇、火災
このエマグラムを使わせる問題は、良く出来た問題である、
と感じることが出来ると、気象が大分分かってきたことになります。
参考→ エマグラム
問3
(1) 低気圧に関する穴埋め問題
1 72(mm) 2 日本 3 等温 4 暖気 5 寒気
6 996(hPa) 7 寒気 8 急速に発達する
等温線に風が交差していると、温度の移流が生じます。
そして、天気の変化に繋がっていきます。
参考→ 移流
参考→ 移流
(2) 前線の解析
低気圧が、そのライフサイクルのどの段階にあるかを、
一瞬のうちに見極めることが大事です。日本を抜けて直ぐ消滅することはありません。
発達するのはこれからです。
解答用紙が手元にないため、解答不可能です。
なお、「閉塞段階」の表現にしないことが大事です。
問4
(1)降水要因→南西からの気流が陸地や山岳に当たって、上昇気流となり、
降水発現の原因となった。
(2)下降流要因→西寄りの暖湿気流が中部山岳で上昇し、超えて、関東平野で
下降したため。
(3)降水の特徴→多少紛らわしいですが、次の手順で考えました。
1 全体をにらんで、関東地方に雨がなさそうなことを見て、Dとした。
2 9時の雨量のピークは、神戸or飯田、
3 降水の継続期間の長さを見て、A、Cが飯田と高田のいずれか、
4 おそくまで降水があるほうを高田とし、これを→C とした、
5 従って、Aは飯田となる、
6 従って、Cは神戸となる。
図が読み取りにくく、余りいい問題とはいえません。
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(正解は、支援センター等の解答を見てください。)
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佐藤 元
E-mail:satoh@ny.airnet.ne.jp
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