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平成13年度第2回(平成14年1月実施)気象予報士試験、解答予想及び検討
短時間で解答を作成しました。
問題をジックリ検討する時間がなかったので、「書きっぱなし」の答えです。
見てくださる方々には申し訳ありませんが、悪しからずご了承ください。
この頁の青字部分は、その後誤りに気づいた、或いは検討追加した部分です。
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学科試験解答(予想です)
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一般学科
問題..解答 検討
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1......4 水蒸気が地球温暖化にどの程度寄与するか疑問ですが、、、
2......2 「比容」という耳慣れない用語がありますが、密度の逆数です。
3......1 H20という物質は、凝結するとき熱を放出し、蒸発するとき熱を
周りから奪います(夏場の打ち水です。)。
4......1 典型的なフェーン現象です。
5......3 エマグラムの使い方に習熟のこと。
θwの値の大小で比較します。(θw850 vs θw900)
6......2 700hPa面で、西にトラフを、さらにその東側下層(850hPa)に
低気圧&上昇流を想定します。上層は南西風、下層は南風と考え
られます。従って、700hPa基準で850hPaの風を見ると、西を
みることになります。これは、題意のベクトルと考えられます。
私は、第一感、この問題は「暖気移流」とおもいました。
従って、下層から上層にかけて風が時計回りに回るハズ。
上層風は下層風よりも風速が大であるため、従って題意のベクトルは
東から西へ、或いは、北東から南西へ向かう可能性があると推定しました。
こ問題は上層から下層をみますので、要注意。
以上のように考えましたが、支援センターの解答は4です。
「こ問題は上層から下層をみますので、要注意。」と書きましたが、実は
このことが私の錯覚でした。
問題文に「700hPa等圧面における地衡風から850hPa等圧面における地衡風を
差し引いたかぜベクトルは」とありましたので、てっきり700hPa面の地衡風
を起点にしてベクトルを求めると即断してしまいました。そんなわけで、いつも
やっているベクトル演算とは少し違うなと思ったので「要注意」としてしまいました。
次のように考えましょう:850hPa基準で700hPaの風を見ると、南又は南東をみる
ことになります。したがって、問題の選択枝から風ベクトルは「北」となるでしょう。
7......1 収束・発散と上昇流は、質量保存則から導かれる式で関係付けられています。
拙著、天気図と気象理論 P.87 をご参照ください。
∂W/∂z=−(∂U/∂x+∂V/∂y)
この式がありながら、収束即上昇、発散即下降と即断してしまいました。
思慮が足りませんでした。以下のように考えます。
∂W/∂z=−(∂U/∂x+∂V/∂y)
=−D
D:発散です。正の値ゆえ、wはzの増加に対応して、減少する。
一方、収束の場合、Dは負になるので、WはZの増加に対応して増大する。
このことに対応する図は4です。
8......1 ボイス・バロットの法則は有名です。戸外に出たら、雲の流れ行く方向をみて
その進行左前方には低気圧があることを推察しましょう。
9......1 この図は時々試験に出てくるようです。
10.....3 オゾンの生成地域(低緯度地方)と、運ばれてゆく先(高緯度地方)は
定説になっているようです。
11.....5 CO2が水に溶けると、弱酸性になるか否か分かりませんが、
サイダーやラムネを飲んだときのフィーリングが酸味が少しある気がします。
12.....1 予報業務許可事業者は「公衆」に伝達すべき義務は規定されていません。(第20条)
法律には、様々な期限の表示があります。ご参照ください。
13.....4
14.....2 cの認可・・・前提として許可が必須の条件であることを思い出してください。
dの会社の合併までは、気象業務法に規定していないと思います。
15.....2 作為義務(xxしなければならない)、不作為義務(xxしてはならない)に違反した
場合の罰則が気象業務法第8章に記載されています。
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専門学科
問題..解答予想と検討(4/13)
# #
1......2 方位各90度は「東」、そのとき動径速度の符号は「プラス」、すなわち
レーダー位置から遠ざかっている。方位各270度は西、符号はマイナス
レーダー位置へ吹いてきている。これらより、西の風となる。
2......4 Bは飛行機、Cは極軌道衛星、Dは高層気象観測であることが容易にわかる。
気象衛星は赤道をはさんで南北60度までを観測しますので、Eが該当します。
3......2 全体をぐっと睨んで、プリミティブ方程式は大気運動の記述、連続の式は質量保存の
法則の対応となる。この2つができれば回答可能です。なお、重力波ノイズの除去に
対応するものとして初期値化か客観解析か、迷いますね。思い出して下さい。
4......1 一見、これは難しいと感じます。しかし、プリミティブ方程式における熱力学の
部分を思い出して下さい。「物理過程」が必須なのです。放射や凝結が物理過程です。
拙著、天気図と気象理論のプリミティブ方程式の箇所: P.117 をご参照ください。
5......5 数値予報に関する基礎的な知識を問うものです。(d)は、CFL条件と言われます。
拙著、天気図と気象理論の数値予報の箇所: P.124-131 をご参照ください。
6......3 この問題は、気象学の理解を問う非常に良い問題です。
(b)は、直感的には、 ア>イ ですが、数式で証明するのが難しい。
傾度風の式を高気圧、低気圧に適用するとき「符号」に注意する必要がある。
拙著、天気図と気象理論の風向・風速の箇所: P.15 をご参照ください。
低気圧の時の風速をvL、高気圧の時の風速をvHとすると、
dp/dr=fvL+vL2/r、dp/dr=fvH-vH2/r
気圧傾度力は同一であるとして、、f(vH-vL)=-((vH2+vL2)/r となるので、
右辺は常に正、故にvH>vL となる。すなわち、直感とは逆の結果になった。(b)は正しい。
(c)に関して、低気圧の場合の式 dp/dr=fvL+vL2/r より、fvL=dp/dr-vL2/r となり、
rが大きいほど右辺全体は大きくなり、従って左辺は大きくなり、vLは大きくなる。
7......5 (a)の解釈が難しい。特に寒気の南下をいかに考えるか?
マイナスの熱がマイナスの北に向かう、と考えるべきである。
したがって、(a)の記述は正しい。大分昔の試験問題にもありました。
8......2 特に言うべきことなし。里雪の方が日本海を吹走する風が弱い。
eとfをうっかり読み違えました。
支援センターの解答は3です。
9......1 水蒸気画像の明暗部の見方。
うろ覚えでした。水蒸気画像と雲画像の明暗は逆のようです。
支援センターの解答は5です。
10.....5 PPM,MOS,KLM,NRNの理解を問うものです。
11.....5 (b)を誤にしたくなるが、そうすると(d)の記述と合わなくなるので、
(b)は正しいであろう、と推定する。
12.....3 (a)は?、(b)はX、(c)は○のようだ、(d)は忘れましたがxのようだ。
13.....2 (b)は明らかな誤り。
14.....3 スレット・スコアの定義を忘れてしまいましたが、
確か、値が小さいほうが良いという記憶があります。
RMSEとの記憶違いのようでした。
支援センターの解答は4です。
15.....1 高度が低いほど、それだけ上空の寒気の影響が地上に及ぶであろう。
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実技1試験解答予想と検討
問1
(1)1 寒冷、2 東、3 南西、4 暖湿、5 朝鮮半島、
6 日本海東部、7 湿数3℃以下域、8 集中帯、9 東
(2)1 0.15 拙著P.85にて、鉛直P速度と大気の移動速度の関係を示しています。
2 驟雨、 3 雷
問2
(1) 潮岬(345K、−6℃)、
鹿児島(338、−5℃)、
(2) 潮岬(340K)、
鹿児島(343K)、
(3)この問題は、理由を答える様な指示はない。しかし問題の文脈は理由を求めて
いる様に見える。ところが、天気図を読んだ結果は、問題文に述べられている。
問題文が要求しているのは「予実の違い」のみを述べることである:
潮岬(相当温位の上層下層の差が小さく安定と予想したが、実況は不安定となった)、
鹿児島(相当温位の上層下層の差が大きく不安定と予想したが、実況は安定となった)
(4) 1 かなり湿潤、2 安定、3 不安定、4 対流不安定
(5) 潮岬。
理由:潮岬と鹿児島の850hPaと700hPaの相当温位は、それぞれ
(346 vs 341)及び(338 vs 338)となっていて、潮岬の方は
下層の相当温位がその上層に比べて高い、鹿児島では上下層とも
同じ相当温位である。従って潮岬の大気の状態の方が不安定である。
問3
(1) 降水は急速に強くなり、3時間いないに最大400から600mmの
降水が予想される。
(2) 図7によれば、340Kを超す南西からの高相当温位の大気が継続的に
紀伊半島の山岳斜面を滑昇し、上昇するにつれ降水を発現させるためである。
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実技2試験解答予想と検討
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問1
(1)1 20、2 10、3 45、4寒帯、5亜熱帯、6 5640、7 xxx、
8 切離、9 おそい、10 3.4、11 低気圧による南よりの風の流入、
12 暖湿、13 東北東、14 15、15 西部
(2)北側の線は、5700と書いてある東の13.7と書いてあるあたりから不足の大きそうな
矢羽根にそって、北海道東部を通り、北緯40度で終わる様に描く。
南側の線は、−7.1あたりから、矢羽根及び等高線に沿って、関東沖−8.1を通り、
北緯33度で終わる
問2
(1)33のところでキンクにする。キンクから+42へ前線を、またキンクから28を通り
34に向かって前線を描く。Aは岡山の場所に書く。
(2)T12 (134−73の区間)→T24(137−117E・27Eの区間)→
T36(168−台湾北部の区間)→T48(194−+29の東までの区間)
(3)T12 (問題の東シナ海位置)→T24(台湾南部+111の位置)→
T36(+103の位置)→T48(徳島)
(4)1 天気図にLの表示は見あたりませんが500hPaの低気圧位置から判断し、「南側」、
2 5640m、3 西南西、4 集中帯、5 北東、6 123E または東シナ海、
7 南西、8 暖気移流、9 北西、10 寒気移流、11 急速に発達、12 降水、
13 南、14 山岳斜面
問3
(1) 「精度の特徴」として「何を答えるべきか」よく分かりません。
この問題の場合、与えられた資料のみから「降水量とその現象の発現場所」に関する
数値予報の精度の「特徴」を「特徴」として言い切れるか否か疑問です。
時間・空間・物理量を念頭において、つぎのようになるでしょうか:
「発現位置に多少のズレはあるが、概括的に言って最大降水量を精度よく予想している。」
(2)「沖縄付近の降水量予測の精度は悪い。また、奄美北部に関しては発現時刻が3時間程度
遅れて予想している。」
この表現では、単に与えられた図面を読んだにすぎないと思います。自分自身不満足な
解答表現だと思っています。「精度の特徴」とは何でしょうね。
尤も、「予想を評価」することで最も大事なことは、「あたり、はずれ」です。
降水の有無の予報の評価に用いられる、2X2分割表が提供されていれば、
的中率、見逃し率、空振り率、スレットスコアなどを算出し、ある程度定量的に
精度の特徴を表現できるかもしれません。
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佐藤 元
E-mail:satoh@ny.airnet.ne.jp
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