1999年 東京支部会合 概要

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     ◆1999年(H11)6月5日 第6回東京支部会合

<概要>
 品川区立大崎第一区民集会所第一集会室にて、44名もの参加者を集め盛況のうちに行われました。
<話題提供1>
地球温暖化による梅雨前線と夏の天候の変化

 佐藤尚毅 会員(東大気候システム)
 1960年代と、1980年代後半から1990年代前半の比較から、盛夏期の日照時間の減少、気温の低下などが見られることを明らかにした上で、オホーツク海高気圧の強化が梅雨前線の北上を遅らせている可能性を指摘し、数値シミュレーションから、地球温暖化による北極周辺の温暖化の進行がこうした傾向を強化する可能性があることを明らかにしています。豊富なデータ解析を駆使した発表に、多くの参加者が食い入るように図表に見入っていました。
<話題提供2>
伊豆半島・東京湾岸の局地的悪天の事例解析

 武樋憲明 会員
 本年4月から5月にかけて、寒冷前線や低気圧の後面の場に関東地方が入り、いったん天気が回復した後で伊豆半島や東京湾岸で再び降水が見られた例を3例挙げて、その現象の追跡と、原因の推定、予報の可能性などについて考察した発表でした。身近な事例の解析だっただけに、参加者からも実体験に基づくコメントが相次ぐなど、多くの関心を呼んだ話題提供となりました。

 

     1999年(H11)8月7日 第7回東京支部会合

<概要>
 千代田区中小企業センター502・503会議室を会場に、51名の参加者を集めて行なわれました。
<話題提供1>
鉄道における強風時の運転規制について
+鳥人間コンテスト参加速報

 島村泰介 会員(鉄道総合技術研究所)
 最近20年間ほどの事故事例の紹介や大型低騒音風洞の紹介。JRにおける規制風速についての説明や転覆限界風速と風向の検証など興味深いお話を聞かせて頂きました。
 また、鳥人間コンテスト速報は楽しい話を聞かせて頂きました。
<話題提供2>
都市型水害と下水道

 竹田宜人 会員(東京都水道局)
 本年6月の福岡水害と7月の東京区部の水害を題材にして、下水道設備の機能などの観点からお話がありました。計画雨水量についての話や都市化による流出係数の増加など、近年の都市型水害の多発する理由をわかりやすくお話し頂きました。
 また、東京アメッシュ500(東京域レーダ雨量計システム)の説明があり、7月の水害を発生させた雷雨エコーの推移を見ることが出来ました。
<話題提供3>
今年の梅雨をふりかえって

 永沢義嗣 会員(気象庁予報課)
 梅雨の定義の話から始まり、プロジェクターで衛星画像の動画で見ながらの説明や、半旬ごとの前線の動向を示した図を用いて今年の梅雨の説明がありました。
 講演の後には活発な質疑応答があり時間を延長しての充実した会合となりました。

 

     1999年(H11)8月22日 気象衛星センター見学会

 東京・清瀬市の気象庁気象衛星センターで行われた「第8回気象教室」に合わせて見学会を行いました。
 気象衛星センターでは、まず職員の方の案内で、 GMSやNOAAとの通信を担当する「通信室」、 GMSの運用を担当する「管制課・ GMS運用コンソール」、 GMS雲画像を利用しやすい形へ加工する「データ処理課」、雲解析情報図を作成している「解析課」を見学。 さらに、数値予報の「頭脳」、 COSMETSのスパコンがある「システム運用室」も見せて頂きました
 その後、雲を作る実験などを、絶妙の語り口の「ひまわり博士」がおもしろおかしく見せてくれる「気象実験教室」や、南極越冬隊員の方のスライドを交えた体験談などの講演を回りました。 それぞれの場で、多くの質問が飛び出し、説明の職員の方とのやりとりが活発に続いて、公開時間いっぱいの午後4時過ぎに、センターを後にしました。

 

     1999年(H11)10月2日 第8回東京支部会合

<概要>
 台東区民会館8階・第3会議室において43名の参加者を集めて行なわれました。
<話題提供1>
関東地方の異常高温と
アイスクリームの売れ行きについて

 渡辺裕介 会員
 天候の小売業への影響についてお話いただきました。 "氷菓/冷菓”の比は気温が高くなると30%台後半から40%程度となり、気温の低下とともに比率は下がる事や、最高気温と "氷菓/冷菓”の比はきれいな相関が現れる月とそうでないときがあるなど興味深いお話をして頂きました。
 また、97年と98年のデータを例に7月上旬の売り上げパターンの違いから、冷菓の売り上げには高温の持続が必要のようであるとの話をお聞きすることが出来ました。
<話題提供2>
気象解析とは何か

 東 修造 会員
 解析の重要性を様々な手法を説明しながらお話していただきました。大気の物理的構造を、時間を含めた4次元空間において分析し、観測された気象要素から大気の構造モデルを作成することで、具体的には、大気の循環系、擾乱を把握する事、高気圧、低気圧及び前線などの位置、構造、その推移の有様を決定する事など、その手法の多彩さや難しさを痛感させられました。実況解析を的確にすれば予報は簡単なはずとの言葉には、現業で予報業務をされている方ならではの重みがありました。
<話題提供3>
我が国の海洋観測の現状について

 中井俊介 会員
 気象予報士会で10月15日に予定されている、海洋科学技術センター(JAMSTEC)の見学会に予備知識として役立つよう、海洋観測について話題を提供して頂きました。海洋観測の目的(海洋観測はなぜ必要なのか?)を、学術的な面と実用的な面からお話頂きました。

 

     1999年(H11)11月21日 気象大学校学園祭・紫雲祭見学会

 平成11年11月21日(日)〜23日(祝)の日程で、毎年恒例の気象大学校の学園祭「紫雲祭」が行なわれました。これに合わせ、「千葉県気象予報士会」「東京支部」の2支部で、全国初の試みとなる共催行事として見学会を開きました。
 まず、講演「ダイオキシンについて」(毎日新聞・宇田川恵記者)を拝聴。続いて、講演終了を待たずに始まってしまった「柏気象台見学ツアー」に回りました。これはもちろん「柏気象台」なる官署が実在するわけではなく、学生や気象庁職員が研修で使う L-ADESS端末が並ぶ実習室や、研究・学主用に山積みされた解析図や予報支援資料や、地上気象観測装置などを見て回るものです。その後は、各自展示を見学。今年も多くの会員を議論に引き込んだのは、「内部重力波可視装置」と「ベナール対流実験装置」でした。
 見学会終了後の懇親会は、いつも通りの盛大な盛り上がりを見せました。

 

     1999年(H11)12月4日 第9回東京支部会合

<概要>
 今年納めの東京支部会合が12月4日(土)午後、東京文化会館4階・大会議室にて開かれました。のべ43人の方に参加頂き、中身の濃い「話題提供」に、いつものように盛り上がった「懇親会」と、充実した会合にすることができました。
<話題提供1>
気象リスクヘッジ市場の現状と将来

 若浦雅嗣 会員(自動車保険料算定会)
 気象現象あるいは気象変動から生じる経済的損失を防ぐ手段として「気象保険」と「気象デリバティブ」を実際の商品を例に挙げて説明して頂きました。気象リスクヘッジ市場が成長・発展し様々な商品が登場することにより、気象情報の利用・提供機会が増大し、それに伴い気象産業の発展が期待できる事。また、気象予報士の役割としては、指標や予報等の気象情報の提供と、気象リスクヘッジ商品の利用・開発にあたってのアドバイスということが考えられるなど、これからの気象産業のひとつの方向であると感じさせられました。
<話題提供2>
低気圧通過に伴う関東平野の局地的気象現象

 武樋憲明 会員
 この秋に起こった3つの興味深い気象現象について事例解析を行い、参加者を交え意見交換をしました。10月27日の佐原市で153mm/Hrを記録した局地的豪雨や、11月1日と11月12日の日本海低気圧通過時における関東の風の場(内陸部の寒気とのシアラインの形成)について該当時刻の天気図を元に解析しました。
<話題提供3>
大正6年10月1日の東京湾に起こった高潮について

 富沢 勝 会員
 大正6年10月1日に関東地方を襲撃した台風による東京湾の高潮の被害を、当時の手記や天気図を交えてお話していただきました。東京湾沿岸に限らず防潮堤の完備により高潮に対する注意は薄れつつあるが、本年の台風18号の例を見るまでもなく注意を怠ることで災害を受けることを十分認識する必要があるとの話でした。気象に携わるものとして、気象災害に対して常に注意の喚起、啓蒙等必要ではないかと問題提起されました。

 

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