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日本気象予報士会・北信越(北陸・長野・新潟)三支部合同例会

(兼 北陸支部第23回例会)

日時: 平成21年6月20日(土) 13:30-17:00
場所: 金沢工業大学・扇が丘キャンパス1号館 1-110室
    (石川県石川郡野々市町扇が丘7−1)

出席者:
富山県7名、石川県15名、新潟県2名、長野県5名、
三重県、神奈川県、東京都、静岡県、兵庫県、以上各1名、
合計34名(+講師関係者1名)

内容:
1.開会 13:30-13:50
 北陸支部長の平松が開会挨拶を行い、この場を借りて日本気象予報士会の一般社団法人化について説明しました。
つづいて、参加者全員が一人当たり30秒の自己紹介をしました。

2.実験室見学 14:00-14:30
 特別講演に先立ち、金沢工業大学19号館の高電圧実験室で、雷を模擬したインパルス電圧試験とアーク放電実験を見学しました。
実験とご説明を頂いた花岡教授と学生さんたちに御礼申し上げます。

高電圧実験室 実験装置 実験中
高電圧実験室実験装置インパルス電圧試験実験中(写真提供:長野支部・達家さん) New

3.特別講演「雷よもやま話」 14:40-17:00
講師:金沢工業大学 饗庭 貢(あいば すすむ)教授
講演中の饗庭先生  「雷博士」として有名な饗庭先生に、電気工学の立場から雷のあれこれについてお話して頂きました。まず、金沢工大の上空で撮影された雷写真の紹介から始まって、金沢の雷日数の話(年間平均40日、平成17年は72日)、雷雲の種類、北陸の雷の特徴をお話されました。
また一方で、ドイツの科学雑誌では雷のことを「天からのハンマー」と呼んで斧や鉞(まさかり)を持った赤鬼や青鬼の絵が描かれていることをご紹介下さったり、群馬県の高崎で「雷漬け」なるお土産品を見つけたことなどもお話下さいました。
 そして、雷のエネルギーや人が雷から身を守る方法に加え、今回の講演には先生の教え子で雷対策の電気機器メーカーに就職された方もお見えになったこともあって、雷の被害を防ぐ避雷針や避雷器のお話についても詳しく伺いました(除湿器付き避雷器の特許の話とか・・・)。
 また、雷に対して「自動車の中は安全だ」というのは違う、という話や、建築物の電食現象、航空機被雷(冬の小松空港における避雷対策研究)、金沢のテレビ局における消雷装置、 石川県内各地の避雷針設置の話もありました。
 また一方、太陽暦(1週間)は雷によって決まったのでは、という説もご披露下さいました。それによると、雷は三日間ほど続くことが多いが、西洋ではどういうわけか金曜日の夕方に 一番多いようで、その時に皆が安否確認のために集まって炊き出し(宴会)をした。土曜日は雨風のため仕事を休み、日曜日の午前に太陽が見えると無事を感謝して(教会で)太陽を拝んだ、とのこと。欧米人には今でも金曜日しか宴会に出席しない習慣の人もいるので、さらに先生が金沢地方気象台で雷情報の調査を行った結果、やはり金曜日の発雷が一番多いことが分かり、この説にはかなり説得力がありました。
 さらに、将来の雷エネルギー利用可能性についてもお話され、従来の避雷器に特殊な蓄電装置(電気二重層キャパシタ)を組み合わせることで、落雷防止とエネルギー開発の一石二鳥が 期待できるアイディアをご披露頂きました(電力会社が要らなくなる?)。

講演を聴く参加者  なお饗庭先生は、石川県をはじめとする各地でいま注目の「オタマジャクシ」現象で報道機関各社から解説を求められており、この日も新聞記者が取材に訪れていました(北國、北陸中日、毎日)。先生はこの現象が最初に発見された石川県七尾市中島町まで自ら赴いて現地調査を行ったそうで、先生の見解では、この現象の原因は「つむじ風」だそうです。県内各地で見つかった現象も勘案すると、「つむじ風」が雷の通り道に多い地形・局地的な現象であること、付近に田んぼと高い建物および広い駐車場があることが共通で、ビル風やコンクリートが暖められたことで上昇気流が発生し、それに伴う突風で舞い上がったオタマジャクシが駐車場に 落下した、と結論づけています。

 そして最後に、先生の雷以外のご研究であるリニアモーターカーについてもひと言ご披露頂いて、講演の締め括りとしました。
来年80歳を迎えられる饗庭先生ですが、途中休憩もせず長時間にわたってお話続けられる元気なお姿は、まだまだこれからもご活躍が期待されるご様子でした。


4.閉会
雷都物語  講演の御礼として、雷にちなんだ贈り物をお渡ししました。
(夏の雷が名物の栃木県宇都宮「雷都物語」鬼あられ、です。)

鬼あられ

最後に先生を囲み、全員で記念撮影をしました。
(画像をクリックすると拡大します。ファイルサイズ約2.51MB)
集合写真

5.懇親会 17:40〜20:30
懇親会 場所: 居酒屋「せん 金沢駅前」
参加者: 27名
 金沢工大から送迎バスで金沢駅前まで移動しました。
飲み放題と新鮮な食材に加え、気象の話を肴にして、北陸・長野・新潟・関東方面の気象予報士仲間同志、交流を深めました。

 またその後、有志10名程が金沢での行きつけの店である居酒屋「座・座」で、さらに交流を深めました。

(文責:平松)

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