----------------------------------------------------- 一般社団法人日本気象予報士会北陸支部 第26回例会 日時: 平成22年2月27日(土) 13:00-17:00 場所: 高岡市生涯学習センター 5階・研修室503     (高岡市末広町1-7) 出席者:     富山県・・・藤田、長谷川、金山、斉藤、           上田、平島、笹倉、山本、松島     石川県・・・天野、谷、小林、松田、北村、           私市、氏森、山下、平松     新潟県・・・榎本   以上、19名(順不同:敬称略) 内容: 1.開会  開会冒頭に私市・前北陸支部長による恒例の挨拶と、 参加者全員の近況報告を行いました。また金山さんから、 神奈川のご実家で栽培された「ゴールデン・オレンジ」の 差し入れがありました。 2.話題提供 ・榎本英樹さん(新潟市) 「陸風場で起きる大雪について考えてみたこと −2009年12月16日〜17日の事例を踏まえて−」  昨年12月16日〜17日に、新潟地方めがけてJPCZ (日本海寒帯気団収束帯)が接岸するようすを数値実験で 再現し、地表付近や上空の収束量、流線、上昇流、 雪混合比などを解析した結果を検討しました。結論として、 この大雪では下層のメソγ渦が次々と流入し沿岸付近で消滅、 それが陸風循環を誘い込んだのでは、と考えたそうです。 ・長谷川健さん(富山市) 「高岡における今シーズンのインフルエンザの状況」  長谷川さんが勤務する高岡の病院で診察したインフルエンザ 患者の傾向について、昨シーズンまでと今シーズンとを比較した 結果を紹介して下さいました。昨シーズンまでの季節性 インフルエンザは2月下旬頃にピークがあったのに対し、 今シーズンは8月初旬以降から患者数が増加、11月下旬に ピークがあり、その後は減少しました。富山県では全国に 2週間ほど遅れて患者数が増え始め、ピークはほぼ同じ時期 だったようです。また今シーズンに検出されたウィルスは ほとんどすべてA/H1N1(新型)でした。  過去のパンデミック(世界的流行)の歴史を振り返ってみても、 流行の第2波は必ず来ると覚悟しておいた方がよさそうです。 ・松田秀敏さん(金沢市) 「今の気象報道は適切か」  新聞社にお勤めの松田さんが、日頃のお仕事の中で感じた 伝えることの意味について、具体的な例を挙げてお話下さいました。 正確で誤解の無いことはもちろん、なぜ知らせるか、 誰に知らせたいか、いつ知らせるかも重要です。 気象情報発信の最大目的は災害による人命財産被害を最小限にし 危機管理をすることですが、昨今の情報過多のなかで ただ単に詳しく、細かければ良いというものでもありません。 お茶の間に本当に伝わるにはどうすればよいか、 見せ方、伝え方に工夫が必要と考えられます。 ・私市喜八郎さん(小松市) 「この冬の寒波」  この冬もいくつかの寒波が北陸地方にやって来ました。 その中から昨年12月18日、500hpに-40℃の寒気が入り込んだ 「初雪寒波」を取り上げて、高層天気図やレーダーエコー、 衛星画像を検討しました。その結果、シアーラインや風向の 変化から、新潟付近へ延びるJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)が はっきりわかりました。 ・平松章男(白山市) 「国内外の確率的気象情報の利活用について」  降水確率などの確率的気象情報の認知度や利用状況について、 国内や海外(主に米国)の文献や学術論文を紹介しました。 (京都での研究成果発表会の内容とほぼ同一です。) 3.業務連絡事項  次回は、北陸支部第27回例会および第5回支部定期総会  として、平成22年4月24日(土)に石川県内で開催予定です。  支部役員の改選もあります。 4.懇親会  17:30〜19:40頃 場所: 遊色空間「匠家(しょうや)」  刺身、焼牡蠣、カモ鍋、ラーメンなどに加え、 特選牛ヒレステーキor飛騨牛100%ハンバーグステーキor 海老の白ワインソテー和風ソースから一品を選択、しかも 飲み放題という非常に美味しい料理を楽しみました。 4月に転勤予定の方もあり、新天地での活躍を祈念しました。              (文責:平松) ----------------------------------------------------------