----------------------------------------------------------- 一般社団法人日本気象予報士会北陸支部 第24回例会・懇親会 日時: 平成21年9月5日(土) 13:00-17:00 場所: とやま市民交流館・市民学習コーナー 学習室5     (富山市新富町1丁目2-3 CiCビル3階) 出席者:     富山県・・・藤田、門木、長谷川、斉藤、           平島、笹倉、山本、松島、           中川     石川県・・・由比、中村、立花、松田、           村井、宇田、私市、氏森、           北村、山下、平松     兵庫県・・・沖野   以上、21名(順不同:敬称略) 内容: 1.開会  開会冒頭、私市・前北陸支部長による恒例の挨拶と 「季節の振り返り」の後、参加者全員の自己紹介兼 近況報告を行いました。 2.話題提供 (1)私市喜八郎さん 「ラジオ天気図の記入と天気図の作成」 私市さんが今年7月に関西支部京都部会で受講した 「ラジオ天気図」講座(講師:山中博先生)をもとに、 参加者の皆さんと一緒に天気図を描きました。 最初に、気象通報に出てくる地名(石垣島、那覇、・・・)の 位置を天気図用紙上で確認しました。次に別の用紙で、 天気図で使われる天気記号(晴、曇、雨、雪など)と、 風力階級ごとの矢羽記号を描く練習をしました。さらに、 ラジオ放送を聞きながら、丸印だけが描かれた紙の上で 風向、風力を記入する練習をしました。 そしていよいよ、ラジオ放送(の録音テープ)を聞きながら、 天気図用紙にボールペンで気象要素(風向、風力、天気、 気圧、気温)を記入しました。 引き続き、「船舶の報告」による風向、風力、気圧等を記入し、 「漁業気象」の低気圧・高気圧の位置および進行方向と速度、 中心気圧、さらに前線の位置、霧の範囲、そして代表的な 等圧線の位置などを聞き取り、天気図に記入しました。 このあたりまで来ると、北緯何度、東経何度と言われてから 天気図上で位置を探しているうちに放送が先へどんどん 進んでしまうので、数字をすばやくメモしてから後で ゆっくり天気図用紙に記入するようにしました。 最後に、各地点に記入された気圧の数値や風向などをもとに、 放送では話されなかった等圧線の位置を自分で推測して描き、 天気図を完成させました。 今回の放送分(平成21年7月15日12時)で描いた天気図は、 沿海州に中心を持つ低気圧から温暖前線が北海道へ、 寒冷前線が日本海へ延び、東シナ海には停滞前線があって、 太平洋高気圧の日本への張り出しは弱い、というような 特徴のある天気図でした。日頃から天気図を描き慣れている 人ならともかく、ほとんどの方がラジオ天気図の経験に 乏しかったので、「北緯○度、東経○度と言われても、地点を 探すのが大変」とか、「記入漏れが多くて、おおざっぱな図に なってしまった」という感想が聞かれました。他にも、 「ヒアリングの試験みたいだ」とか、「地形図の等高線とは、 やっぱり違う」という感想や、「子供向けお天気講座にピッタリ」 という意見もありました。 (2)宇田英史さん 「小松空港におけるドップラーレーダーによる突風事例解析」 2008年7月27日14時頃に小松空港周辺で発生した突風について、 宇田さんが今年5月の日本気象学会春季大会(つくば)で発表した ポスターを有効に使って説明して下さいました。ポスターに示された 写真、記録紙のグラフ、レーダー画像等や、フィールド調査による 被害の面的な広がりなどから、今回の突風はダウンバーストであると 結論付けています。なおこの突風は、石川県内で初の竜巻注意情報の 事例だったとのことです。 (3)村井昭夫さん 「中国・杭州近郊での皆既日食観測レポート」 2009年7月22日の皆既日食を、中国浙江省湖州市安吉県天荒坪鎮の 江南天地(標高900m)で観測した様子を、スライド写真やビデオ映像で 紹介して下さいました。日本では悪天候のためほとんど見えなかった 皆既日食ですが、村井さんの観測地では薄い雲が掛かりながらも 太陽が月に隠れる様子や、皆既中のコロナやダイヤモンドリングが 大変きれいに見えました。また同時に、データーロガーで皆既中の 気温・湿度・気圧の変化を観測したものの、途中でデーターロガーが 故障してしまったとのことでした。 (4)藤田一さん 「東海地震の予知について」 2009年8月11日05時07分に発生したM6.5の駿河湾の地震をきっかけに、 東海地震関連の情報が数多く報道されました。結果として、この地震は プレート境界での発生が想定される東海地震とは異なり、フィリピン海 プレート内部で発生した横ずれ成分をもつ逆断層型の地震であったことが わかっています。気象台の地震担当である藤田さんから、今回の地震と 予想される東海地震との違いのほか、東海地震の予知と防災対応について 詳しくお話して頂きました。結論として、東海地震は必ず予知できるとは 限らないので、日頃からの防災対策が必要とのことです。 3.業務連絡事項 (1)今後の予定 次回、北陸支部第25回例会および案内会2009秋を、 11月14日(土)に金沢市中央公民館彦三館・視聴覚室で開催します。 また、平成21年度第2回気象技能講習会(長期予報)を、 平成22年1月16日(土)に富山県内で開催予定です。 (2)記念撮影 参加者全員の集合写真を撮影しました。 4.懇親会  17:30〜19:45 場所: 「蕎麦居酒屋けやき亭」 参加者: 18名 例会会場とはJR富山駅を挟んで反対側(北口)にある オーバードホールの建物2階にある居酒屋で、 美味しい食材+酒を、例会話題の続きと一緒に楽しみました。 ビルの玄関前でフラダンスを踊っているグループを横目に、 帰途に就きました。               (文責:平松) --------------------------------------------------------------