一般社団法人日本気象予報士会広島県支部
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天気予報にチャレンジ! 「台風のお話と子ども天気予報」 (第6回子ども天気予報)
日時:2010年7月4日(日) 13:30〜16:00
会場:江波山気象館 オリエンテーションルーム
参加者:こども・・・13名(中学1年生 1名、小学5年生 4名、小学4年生 6名、小学3年以下の付き添いのこども 2名)
     付添いの保護者有志・・・8名 (男性3名 女性5名)
     気象予報士・・・9名(男性5名 女性4名)

§1.あいさつ
   簡単なあいさつと、気象予報士の先生たちの自己紹介を行いました。

§2.台風についてのお話
   新本予報士の司会による、台風についてのお勉強です。
   クイズを出題し、それに答えながら台風について
   理解していきます。
   
   クイズは、第1問から「台風のエネルギー源は何?」という
   こどもたちにはかなり難しい問題でしたが、
   絵やアニメーションをたくさん用いた解り易い解説で、
   台風には水蒸気が必要だということを、なんとなく理解してもらえたと思います。
   クイズは合計8問(博士をクリックするとクイズ問題のページにリンクしています)
   台風の基礎知識からトリビア的な問題まで多岐に渡るものでしたが、
   絵や画像、アニメーションなどをふんだんに利用するなど趣向を凝らした解説で、
   楽しくお勉強できました。
   何よりも、メモを取りながら真剣に学んでいるこどもたちのひたむきな姿には、心を打たれました。

§3.実験コーナー
   ここから司会は久保田予報士にバトンタッチ。
   台風の中の風の流れを理解する実験です。
   まず、水の入ったビーカーに茶殻を沈ませ、
   ゆっくり大きくお箸でかきまぜると茶殻が中央に集まります。
   そこで「その茶殻をお箸1本だけ使って上昇させるにはどうすれば
   よいでしょうか?」と問題が出されました。
   この質問に、こどもたちは悪戦苦闘。
   う〜ん、茶殻がビーカー全体に広がってしまうなぁ・・・。難しいなぁ・・・。
                 
   しかし、しばらくすると徐々に正解にたどり着くこどもたちが出てきました。
   うまくいかないこどもたちも、予報士の先生に教えられて、できるようになりました。
   うまくできると子供たちは何度も何度も繰り返していました。
   表情は笑顔に満ち溢れ、その姿はまさに「天使」でした。
   天使って本当にいるんですね ☆  

   水面の中央付近をお箸ですばやく回すと茶殻が上昇し、水面で周辺に広がるのですが、
   これが台風の中心付近での上昇流、及び、上層での発散を再現していて、
   風の流れを実際に目で確かめることができました。
   簡単な実験ではありますが、楽しくて、不思議で、またちょっと頭を使う素晴らしい実験でした。
     茶殻実験の出典:名越・木村著:「気象の教室6 気象の教え方・学び方」,東京大学出版会(1994)

§4.こども天気予報
   さぁ、ここからがこの日のメインイベントです。
   前日と当日9時の天気図・衛星画像・レーダー図、及び、
   当日と翌日21時の予想天気図が用意され、
   それを使って次の日の天気予報にチャンレンジです。
   
   まずは中野予報士から「高気圧では天気が良く、低気圧や前線付近では
   雨や曇りになる」
   など基本的な資料の見方についての説明が行われ、それをふまえて
   各グループで予想を開始しました。
     
   屋上に出て現在の天気を確認するグループもあったり、 
   各グループ真剣に予想していましたが、                         
   その表情は楽しそうで活き活きとしていました。                     
       
   この時は、梅雨前線が南下し広島から遠ざかる予想となっていましたが、         ↑
   そこから天気を予想するのはかなり至難の業でした。                    保護者チーム
   私も、用意された資料からどうやって話を進めるかかなり頭を悩ませ、
   資料を有効に活用できなかったことは大きな反省点です。
   
   最後に各グループ毎に発表を行いましたが、どのグループも実際のお天気おねぇさん
   顔負けの想像をはるかに超えた大変立派な発表で、
   「これで将来の広島の天気予報は安泰だな」  そう確信しました。
                  

§5.質問コーナー
   最後は少し時間があるということで、
   こどもたち・保護者の皆様からの質問に
   「気象のことなら答えられないことは無い!」と豪語する大平予報士が
   答えることになりました。

   まずは大平予報士より「台風がその場で動かずにいるとどうなるか?」
   というお話(説法?)の後、いくつかの質問に答えていきました。
     まさに大平予報士の独演会でした。

§6.おわりに
   最後に、こどもたち全員に受講証明書を渡して終了となりました。
  
 〜雑感〜
   今回私は初めて参加したのですが、気象についていっぱい知りたいという
   こどもたちの心意気が随所に感じられ、その素直な気持ちを大切にして欲しいと思いました。
   気象に限った話ではありませんが、最も大切なものは「好奇心」だと思います。
   好奇心こそが全ての道の第一歩となります。
   こどもたちの好奇心溢れる美しい姿。笑顔いっぱいの表情。
   いつの日から私の心はこんなに汚れてしまったのでしょう。

   こどもたちに大きな大きな刺激を受け、江波山気象館を後にしたのでした。。。おしまい     

   〜今回の報告は予報士登録番号7284 岡部浩司でした〜       
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