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第22回波浪研究会

1.日時:平成23年11月19日(土)13:00〜17:00
2.場所:東京都中央区明石町区民館 4号室
3.参加:合計18名(男性16名,女性2名)
4.勉強会概要
(1)波浪の計算方法の説明
天気図を用いた風の計算方法と図を使用して波浪の予測を
行うSMB法について丁寧に説明して頂きました。
天気図における風の場の取り方、低気圧の曲率の測定更に
経度風速の計算図表等を活用し、どのように波浪の波高、
吹走距離、吹続時間、周期等を推定していくかについて初心
者にも判り易く解説を施して頂きました。
(2)波浪の計算ツールの説明
エクセル(マクロ機能)をふんだんに活用された波浪の
計算ロジックを紹介して頂きました。
希望者には、USBメモリーにて配布され、後日ダウン
ロードも可能なように予定されているとのことでした。
(3)波浪推定演習
1).演習テーマ;高知県西部沖の波浪推定
  (2009年5月27日〜29日の事例)
2).演習内容
・初参加者多数のため、グループ分けし、二人の講師
さんとでそれぞれを指導。個人的にも、天気図を用いた波
浪推定について前半の講義内容を咀嚼できるような形で教
えて頂き、図表の使用方法にも慣れることができました。
・関数電卓の使用までは必要がなく、推定計算も比較的取り
組みやすく進められました。
3)演習の解説
講師による推定結果について説明。
特に、実際には波高10m近くまでの波が観測されたデータを示
され風向、風速、吹続時間、フェッチ等の見方、推定方法、根拠
について詳しく教えて頂きました。
(4)高知県西部沖のブイによる波浪観測値と予測結果について
演習課題になった波浪の実況観測値におきまして、10m近い
波高を、気象庁のコンピューターでは予測できなかったという
ことから、その解析の過程について、神戸海洋気象台のデータ
等をもとに解説されました。
波源及びそこからの風向風速、フェッチの解析、更に合成波高
の推定計算における黒潮の影響(潮の流れにぶつかり約1割増し
となる)等の説明により、実際の観測値と推定とのギャップに
ついて興味深くお聞きしました。
(5)松島〜石巻周辺の震災被災状況報告
報告者のプロフィール紹介の後、被災地の状況を主として
仙石線沿線の写真記録を基に報告して頂きました。
稼働区間と被災区間の差が激しく、特に被災区間は線路ごと
津波にさらわれており、未だ震災の傷が癒えぬ状態について
改めて津波の恐ろしさの認識を新たにしました。
また、松島湾については島々によって、津波が減衰したという
説も紹介されました。水深の浅い湾ですが、島の点在による
副産物だったのかもしれません。
また被災区間(東名、矢本等)のルートを内陸側に移設する
計画についても説明して頂きました。
鉄道のみを見ても復興は尚、ハードルがいくつもありそうです。
(来年早々の波浪観測会&アンコウ鍋の際には、常磐線は大丈
夫かという余談あり)
5.配布資料の内容
(1)波浪予報勉強会資料(波浪推定)
(2)天気図
 使用した天気図
 ASIA PAACIFIC SURFACE WEATHER MAP
 00Z 06Z 12Z 18Z 27TH MAY.2009
 00Z 06Z 12Z 18Z 28TH MAY.2009
 00Z 29TH MAY.2009
 FXFE502,504,507 270000UTC MAY 2009
 FXFE577 270000UTC MAY 2009
 FXFE5782,5784 270000UTC MAY 2009
 FXJP854 270000UTC MAY 2009
(3)実習に必要な道具
 デバイダ、コンパス、定規、鉛筆、消しゴム、電卓、色鉛筆
6.懇親会
参加者 15人
7.感想
風雨強まる中を懇親会会場へ移動。大いに飲み食べ盛り上がりました。
個人的には、波浪研究会初参加でしたが、お互いに気楽に話もでき、
かつ偶然にも同じグループ会社の方とも共通の話題が見つかりました。
今回、波浪推定の面白さのようなものが体験できましたので、
機会があれば、今後も参加したいと思います。
今回の例会開催準備をされた会員の方々、お疲れ様でした。

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