長期予報利活用研究会 第35回例会
日 時:2011年9月4日(日)9:15〜12:20
場 所:大田区産業プラザ F会議室
◇話題提供
(1) 2010−2011の雨雪判定結果の検証 中山 秀晃会員
昨冬で3回目となる「関東地方の雨雪判定」から二つの事例を報告した。今回から3時間毎に雨雪判定図(背景はGoogle
map)を作成し時間変化がわかるようにした。アメダスやGPVのデータを図化し下層大気の気温や風向と降雪現象を比較した。少しずつ特徴が見えてきたので、さらに事例を増やし関東地方の降雪パターンを明らかにしたい。
(2) イギリスの気候 根本 由紀子会員
北緯50度付近にあるイギリスの気候、特に主な都市の最高気温・最低気温の年間推移について、グラフを用いて説明した。イギリスは風上にあるアイルランド島の影響や海流の影響を受けたり、夏でも北極からの寒冷渦の南下の影響を受けたりする。最高気温が平均的に25度に届かず、寒冷渦の影響を受ければ夏でも最高気温が10℃台になってしまうことも多い。霧や小雨も多く、北海道東部のような夏に似ている都市もある。
(3) この夏の検証 藤井 聡会員
今年の夏の傾向について、気温変化や気象現象などを図を用いて説明した。また、前回の例会でグループ別に行った7月の天候予想とを比較した。Aチームの「東北〜北陸の大雨にも注意したい」Bチーム「オホーツク海高気圧指数も大きく、強くなる可能性がある」という予想は、この夏に実際に現れた現象である。予想図の見方をこれからも大切にしたい。
6月に予想したこの夏のイメージ
(4) この秋の紅葉予報 中山 秀晃会員・根本 由紀子会員・藤井
聡会員
紅葉は9月の平均気温と相関があると言われているが、この9月の気温予想を1か月予報支援図を用いて説明し、これに合わせて「じゃらん」向け紅葉予想の原稿を発表した。9月は中旬を中心に高温が見込まれ、紅葉も1週間ぐらい遅れる可能性が高い。
(5) 気象教室内容相談「気候変動の歴史」 家山 康孝会員
10月に行われる田園調布学園の土曜プログラムの内容について、気候変動を中高生たちにどう教えるか、前回に引き続きプレゼン資料を基に検討した。地質時代の地球の図や、氷河期・間氷期などの様子も入れてみた。
(6) 「埼玉体験旅くらぶ『暑いぞ熊谷』体感ツアー」報告 青木 健二会員・中山 秀晃会員
JTB様の企画に参画させていただくことになり、説明資料を作成して当日に向けた。7月31日当日は小雨で23℃ぐらいの熊谷市だったが、夏休みの自由研究の題材として参加していた親子連れが多く、放射温度計を使っていろいろな場所の温度を測っている様子も見られた。ブルーベリー狩りや熊谷の名産である『うどん』や『雪くま』も紹介された。
埼玉体験旅くらぶ:http://taiken.sainokuni-kanko.jp/