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第3回勉強会

酒井 重典 先生【勉強会】

日時:8月28日(日) 13:00-17:00

会場:東京文化会館(上野) 中会議室1
   (東京都台東区上野公園5-45 TEL 03-3828-2111)

テーマ:長期予報についての基礎講座(第3回)

  • エルニーニョ現象と日本の天候
  • 季節予報資料の見方

講師:日本気象予報士会副会長 酒井 重典 さん
   (「アンサンブル予報 新しい中・長期予報と利用法」(東京堂出版) の著者)

講演資料:これらの資料は著作権が保護されております。本講演以外での無断使用を禁止します。

  • プレゼンテーション資料「長期予報についての基礎-3」
    パワーポイントファイル (54ページ、ファイルサイズ約22.0MB)
    pdfファイル (54ページ、ファイルサイズ約24.2MB)
     
  • レジメ「長期予報の利活用に向けて(3)」
    ワードファイル (7ページ、ファイルサイズ約12.0MB)
  • 参考資料
発表日 予報期間 ページ数 ファイルサイズ ファイル形式
1か月予報FAX配信資料の仕様 〜アンサンブル平均図など
1か月予報FAX配信資料の仕様 4ページ 約100KB pdf
全般季節予報支援資料 1か月予報 (気象庁地球環境・海洋部 発表)
2005年8月26日 8月27日〜9月26日 10ページ 約970KB pdf
2005年8月19日 8月20日〜9月19日 10ページ 約970KB pdf
2005年8月12日 8月13日〜9月12日 10ページ 約980KB pdf
2005年8月5日 8月6日〜9月5日 10ページ 約960KB pdf
2005年7月29日 7月30日〜8月29日 10ページ 約960KB pdf
2005年7月22日 7月23日〜8月22日 10ページ 約980KB pdf
2005年7月15日 7月16日〜8月15日 10ページ 約990KB pdf
2005年7月1日 7月2日〜8月1日 10ページ 約950KB pdf
2005年6月24日 6月25日〜7月24日 10ページ 約960KB pdf
全般 1か月予報 (気象庁地球環境・海洋部 発表)
2005年8月26日 8月27日〜9月26日 3ページ 約140KB pdf
2005年8月19日 8月20日〜9月19日 3ページ 約140KB pdf
2005年8月12日 8月13日〜9月12日 3ページ 約150KB pdf
2005年8月5日 8月6日〜9月5日 3ページ 約140KB pdf
2005年7月29日 7月30日〜8月29日 3ページ 約150KB pdf
2005年7月22日 7月23日〜8月22日 3ページ 約150KB pdf
2005年7月15日 7月16日〜8月15日 3ページ 約150KB pdf
2005年7月1日 7月2日〜8月1日 3ページ 約150KB pdf
2005年6月24日 6月25日〜7月24日 3ページ 約150KB pdf

発表日 予報期間 ページ数 ファイルサイズ ファイル形式
3か月予報FAX配信資料の仕様 〜アンサンブル平均図など
3か月予報FAX配信資料の仕様 6ページ 約260KB pdf
全般季節予報支援資料 3か月予報 (気象庁地球環境・海洋部 発表)
2005年8月25日 2005年9月〜2005年11月 14ページ 約1.30MB pdf
2005年7月25日 2005年8月〜2005年10月 14ページ 約1.20MB pdf
2005年6月23日 2005年7月〜2005年9月 14ページ 約1.20MB pdf
全般 3か月予報 (気象庁地球環境・海洋部 発表)
2005年8月25日 2005年9月〜2005年11月 3ページ 約160KB pdf
2005年7月25日 2005年8月〜2005年10月 3ページ 約160KB pdf
2005年6月23日 2005年7月〜2005年9月 3ページ 約160KB pdf

会費:500円〜1,000円程度の実費 (会場費等を参加者全員で負担)

【懇親会】

日時:8月28日(日) 17:15-19:15
場所:『庄や』上野本店 東京都台東区上野7-2-5 ニューウエノビル1・3階 電話 03-3844-6454
会費:3000円 くらい (女性優待制あり) 今回はエンゲル係数は低いです。

【参加者の報告と感想】

本会メーリングリスト フォーラム長期予報利活用研究会メーリングリスト 等に投稿された内容を一部抜粋して掲載してあります。

8月28日(日)に開催されました「長期予報利活用研究会」の第3回勉強会に、第1回、第2回に引き続き参加いたしましたので、その模様を皆様へご報告申し上げます。
今回で、「長期予報の基礎」全3回の勉強会はいったん完結しました。
ここまでの勉強会で、長期予報をとりあえず「広く・浅く」理解して、参加者の長期予報に対する認識を統一しました。
今後は長期予報の応用、すなわち本格的な”利活用”の方法を考える段階に進むことになります。
参加者の中には、さっそく今秋・冬の販売計画を立てる必要に迫られている方もいらっしゃいました。この勉強会が、そういう方々のお役に立てるように今後の研究を展開できれば、と思っています。
以下、今回の勉強会の内容概略を報告致します。非常に長い文章ですので、相当にお時間のある時にお読み下さい。

長期予報利活用研究会 第3回勉強会

実施日時:平成17年8月28日(日) 13:00〜17:00
実施場所:東京文化会館(上野) 中会議室1
講師:日本気象予報士会副会長 酒井 重典 先生 (元は気象庁で長期予報をご担当)
テーマ:長期予報についての基礎−その3
参加者:約50名弱(前回より会議室が狭く、部屋の定員一杯)

内容:
<長期予報はムズカシイ> 長期予報を完全に理解するには、3回くらいの勉強会では、どうしても時間不足である。(3回の勉強会ですべて理解できるなら、気象庁職員の立つ瀬がない・・・。)この勉強会ではとにかく、長期予報に関しては見たことがない資料は無い、という程度まで広く浅く長期予報を紹介する。季節予報支援資料は、いちど見た程度では読み方が分からないハズなので、分からないことは遠慮せず、メーリングリストを通じてどんどん質問して下さい。

1.エルニーニョ現象

エルニーニョ現象とは、南米ペルーやエクアドル沖から、中部太平洋赤道域にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて1℃〜2℃程度高い状態が、半年〜1年半程度続く現象をいう。気象庁の定義では、「太平洋東部赤道域(エルニーニョ監視海域:北緯4度〜南緯4度、西経150度〜西経90度)の月平均海面水温偏差の5か月移動平均が6か月以上連続して+0.5℃以上になった場合」となっている。
(同様に、−0.5℃以下になった場合はラニーニャ現象と定義。)
このように、5か月移動平均や6か月以上継続したデータが必要なため、夏頃になってようやく「この春頃からエルニーニョ現象が発生している模様である。」というような発表がなされるのもやむを得ない。

また、太平洋東部の平年の海面水温は24℃程度であり、海面水温が1℃〜2℃上昇するといっても、太平洋西部の平年の海面水温28℃程度よりも低いか同程度である。見方によっては、太平洋西部の暖かい海水が太平洋東部まで広がる、とも言える。

エルニーニョ現象発生時には、大気と海洋の流れに関して、
・太平洋熱帯域の貿易風(偏東風)が弱化
・太平洋熱帯域の暖水が西部から東部へ移動
・東部太平洋赤道域の海面水温の上昇
・活発な積乱雲(対流活動)の発生位置が移動
などの変化が起こる。しかし、エルニーニョ現象発生のきっかけについては諸説があり、何が原因かは十分に解明されていない。

豪州のダーウィンと太平洋上のタヒチとの地上気圧の差を指数化した南方振動指数(SOI)が数年ごとに変動する現象とエルニーニョ現象との対応から、大気と海洋が密接に結びついた同一の現象に関して、SOIは大気側の側面、エルニーニョは海洋側の側面と理解される。

エルニーニョ現象発生時の冬季に発生しやすいPNA(Pacific North America)パターンのような気圧偏差により、赤道から遠く離れた地域でも異常気象が発生する。エルニーニョ現象、ラニーニャ現象発生時の世界の天候には特徴的な気温分布や降水量分布があり、世界的な異常気象をたびたび引き起こしている。エルニーニョ現象と日本の天候との関係は、

・梅雨明けの遅れ(特に九州南部・四国)
・冷夏傾向(全国的・特に西日本)
・暖冬傾向(東日本・西日本・南西諸島)
などである。ラニーニャ現象発生時は、梅雨明けの早い傾向があるが、夏・冬に顕著な傾向は見られない。また、エルニーニョ現象発生年には台風発生数がやや少ない傾向がある。

エルニーニョの予測には、大気と海洋を結合したモデルを使い、コンピュータで膨大な計算を行っているが、まだ正確な予測をするまでには至っていない。

2.季節予報作業について

季節予報は、1か月予報が毎週金曜日14:30、3か月予報が毎月25日頃、暖候期予報は2月25日頃、寒候期予報は9月25日頃に気象庁から発表され、季節予報の資料は、気象業務支援センターを通じて配信されている。

予報作業の大まかな流れは、
(1)実況経過の把握
(2)予想の信頼度の検討
(3)数値予報結果(循環場など)の検討
(4)ガイダンスに基づき、予報・確率の検討
(5)顕著現象発生の可能性検討
(6)解説資料の作成の順である。

3.季節予報支援資料の見方

<1か月予報の場合>(2005年7月22日発表資料の例)

(1)実況経過の把握
1か月予報資料(1)実況解説図を見る。
左から、過去1か月の平均、2週間前の平均、直近1週間の平均、直近2週間の平均。
上から、500hPa高度・偏差図、850hPa温度・偏差図、海面気圧・偏差図。500hPa高度場で、影の部分は負偏差で、平年より高度(気圧)が低いところ、すなわち冷たい空気があったところを意味する。
(ただし、直接的にどういう天気かは記述しにくい。)
図の見方は例えば、日本付近に着目すると、左端の1か月平均の500hPa高度・偏差図から冷たい空気が北海道・東北北部にあったことが分かる。850hPa温度・偏差図からも、北海道が冷たい空気に覆われていたことが分かる。右端の直近2週間の500hPa高度・偏差図では、北海道だけが負偏差であり、右から2番目の直近1週間の500hPa高度・偏差図では、北から冷たい空気が流れ込んできているのが分かるが、右から3番目の500hPa高度・偏差図では北日本に負偏差(冷たい空気)がない。よって、1か月平均における北海道・東北の負偏差は、直近1週間の冷たい空気の流入が原因とわかる。

(2)予想の信頼度の検討
1か月予報資料(3)スプレッド・高偏差確率を見る。
左から、予報1か月平均、予報1週目の週平均、予報2週目の週平均、予報3〜4週目の週平均。
上から、500hPa高度・スプレッドの図、500hPa高度高偏差確率・標準偏差の図。
スプレッドとは、アンサンブル予報を構成している個々のアンサンブルメンバーのばらつきを示す指標。アンサンブル平均を基準とした個々のメンバーの予報誤差の2乗平均を、気候値の標準偏差で割って規格化した値を用いている。スプレッドが1程度であれば気候値程度(自然の変動程度)であり、1より小さい場合は気候値よりも小さく、1より大きい場合は自然の変動よりもばらつきが大きい。
高偏差確率とは、大きな偏差(正と負の両方)の起こる可能性の程度、という意味。+印の影が正の偏差確率、−印の影が負の偏差確率。
閾値(しきいち)は、気候値の標準偏差のプラス、マイナス0.5倍として、バラツキの大きいところを示している。
図の見方は例えば、500hPa高度・スプレッドの図で信頼度の空間分布を見ると、予報1週目は影付き(スプレッド大)がなくばらつきが小さいので信頼度が大きいが、予報2週目からは影付きが増えてきており、後半2週間はほとんどが影付きのため、信頼度の高い予報(確率40%〜50%)を出すことが難しくなる。

1か月予報資料(4)各種時系列を見る。
左上から、850hPa気温偏差(北日本、東日本、西日本、南西諸島)、極東域東西指数、沖縄高度。
右上から、東方海上高度、オホーツク海高気圧指数、スプレッド(北半球、日本)、速度ポテンシャル。
気温偏差の図は、見るからにスパゲティが絡まっているように見えるので、「スパゲティ・ダイアグラム」と呼ばれている。スプレッドの時系列は、1週目は「1」以下で信頼できるが、2週目以降は「1」以上で信頼できないことを示している。なお、中央の短い太線は1か月平均のスプレッド。

(3)数値予報結果(循環場など)の検討
1か月予報資料(2)アンサンブル平均図を見る。
左から、予報1か月平均、予報1週目の週平均、予報2週目の週平均、予報3〜4週目の週平均。
上から、500hPa高度・偏差図、850hPa温度・偏差図、海面気圧・降水量の図。
影の部分が負偏差域を示す。
図の見方は例えば、上記(1)実況(2)信頼度の検討から、日本付近に大きなスプレッド、偏差も無いことを確認し、予報資料が使えると判断してからアンサンブル平均図を見ると、日本付近は負偏差領域となっている。
500hPa高度・偏差図では1週目から日本は負偏差域、850hPa温度・偏差図では1週目に北日本に冷たい空気、、、というような判断をする。なお、長期予報の天気図とその時々の天候との関係は、過去の事例を把握して、出てきた天気図から各々の地域の天候と循環場との関係をしっかりつかまえるのが基本である。

(4)ガイダンスに基づく要素別予報・確率値の決定
1か月予報資料(5)ガイダンス(北日本・東日本)4週間平均、1か月予報資料(6)ガイダンス(西日本・南西諸島)4週間平均、1か月予報資料(7)ガイダンス(北日本・東日本)1週目、2週目、3〜4週目、1か月予報資料(8)ガイダンス(西日本・南西諸島)1週目、2週目、3〜4週目を見る。
地域毎に左から、気温(確率・出現率)、降水量(確率・出現率)、日照時間(確率・出現率)、降雪量(確率・出現率)、晴れ日数、降水日数、雨日数を示す。
各地域に3行のデータがあるのは、上段は期間平均予測式による確率ガイダンス・・・1週目、2週目、3〜4週目で平均。中段は日別予測式によるガイダンスと出現率・・・むこう28日間の毎日の天気図で平均。下段は期間平均予測式によるガイダンスと出現率。を各々示している。このような別々の予測式を使用する理由は、例えば降水量などは、1か月平均の天気図から予測する降水量と、毎日の天気図から予測する降水量とは異なると考えられ、どちらが良いかわからなかった名残である。
これらのガイダンスの中から、どれが良いかを予報官がその時に応じて選ぶ。
(↑重要?)
その際、下に示したヒストグラム(日別/期間平均)も参考にして、ばらばらに飛んでいるものよりも、正規分布に近い方の予測式を採用する。

(5)予想される天候のシナリオ
全般季節予報支援資料の文章を見る。事業者向けの資料のため、気象庁特有の「内輪の表現」が使われている。

全般季節予報最初に結論が書いてある。
1.最近の実況
  事実を淡々と述べている。予報資料(1)の実況解析図のことも。
2.数値予報の信頼度
  予報資料(3)のスプレッド、高偏差確率から得られた結果を述べている。
  この例では、信頼度は小さい、が結論。
3.アンサンブル平均天気図
  予報資料(2)のアンサンブル平均図の結果と解釈を述べている。
4.ガイダンス
  予報資料(5)〜(8)のガイダンスの解釈を述べている。
  なお文中の「区々」は、”まちまち”という意味。ガイダンスから読み取れないことを示している。
5.まとめと予報
  予報官はどう判断するか、が述べられている。気象庁特有の言い回しが多い。
  この部分の表現は予報官によって異なるので、上手に「行間を読む」練習が必要。

<3か月予報の場合>(2005年6月23日発表資料の例)
3か月予報は従来、統計的手法(相関法:重回帰など、類似法:過去の天気、周期法:東西指数の外挿)を用いていたが、平成15年度からアンサンブル予報を導入し、主観的な予報から極力、客観的な予報へと移行している。

アンサンブル予報と併用する統計予測資料は、
・3か月予報資料(1)統計予測資料(OCN)
  OCN(最適気候値)手法・・・周期法、類似法に近い。
・3か月予報資料(2)統計予測資料(CCA)
  CCA(正準相関分析)手法・・・重回帰式による予測に近い。
  これらの統計資料は、毎月の初めには出てくる。
・3か月予報資料(3)実況解析図(一部予報値含む)
  左から、前3か月の平均、予報発表月を含む前3か月平均、前1か月平均、
  予報発表月の1か月平均。上から、500hPa高度・偏差図、500hPa気温・偏差図、
  海面更正気圧・偏差図。影は負偏差。
・3か月予報資料(4)熱帯・中緯度予想図
  左上は海面水温偏差(予報の境界条件)、右上は降水量偏差アンサンブル平均左列は
  200hPa速度ポテンシャル、中列は200hPa流線関数、右列は850hPa流線関数。
  流線関数は大気の流れをよく表している。
・3か月予報資料(5)北半球予想図
  左から、予報3か月平均、予報1か月目、予報2か月目、予報3か月目。
  上から、500hPa高度・偏差図、850hPa気温・偏差図、海面更正気圧・偏差図。
  影の部分が負偏差。
・3か月予報資料(6)高偏差確率・ヒストグラム
  上半分は、500hPa高度・高偏差確率。左から、予報3か月平均、1か月目、2か月目、
  3か月目。なお高偏差とは、予測された北半球500hPa高度の平年偏差の絶対値が解析値の
  標準偏差の0.43倍を超える場合と定義。閾値より高い高度が予想されたところに影がつく。
  下半分は、各指数のヒストグラム。右下は正規分布。
  各指数が高い方か、低い方か、それとも正規分布に近いかを見る。
・3か月予報資料(7)各種指数類時系列図
  上半分は、各種指数のスパゲティ・ダイアグラム。実況と予想で計7か月分。
  下半分の左から3列は、循環指数類の3か月平均時系列過去30年分。
  下半分の右端は、層厚換算温度偏差1か月平均時系列過去5年分。
・3か月予報資料(8)数値予報ガイダンス(気温・降水量・降雪量)
  地域別に、3か月平均、1か月目、2か月目、3か月目。
・3か月予報資料(9)数値予報ガイダンス(日照時間・天気日数)
  地域別に、3か月平均、1か月目、2か月目、3か月目。
・全般季節予報支援資料
  全般季節予報
  まず結論が先。
  1.大気の実況
  2.海洋の実況と予測
  3.数値予報
  4.予報の根拠とまとめ、天候のイメージ
  読み方は、1か月予報とほぼ同様。つまり、「行間を読む」(??)。

4.質問に答えて(抜粋)
Q1.アンサンブル予報の信頼度が低い場合、その予報はアテになるのか?
A1.アンサンブル予報の信頼度が悪ければ、気候値予報(33%:33%:33%)を使う。それでもダメなら、持続予報(いまのまま続く)を使う。
Q2.長期予報は地域も期間も大雑把だが?
A2.大雑把なのは、いまのところやむを得ない。他。

5.勉強会のまとめ
長期予報について気象庁は、予報の仕方(数値予報モデルの改良など)は考えているが、長期予報確率の使い方はまだまだの段階である。長期予報を一般の人あるいは業界の人がどう利活用するかは、気象庁担当者の最大の関心事であり、それだけ苦心しているということでもある。この勉強会の成果を気象庁にフィードバックするとともに、どう商売に役立てていくかを考えることこそが、この研究会を立ち上げた最大の目的であろう。

諸外国の長期予報については各国とも似たようなもので、米国では1か月予報でもいまだに統計的手法を用いている(日本はアンサンブル予報)。しかし、統計的手法であっても画期的なモノがあれば、大いに採用する可能性もある。

近年のリスクマネジメントは、天候デリバティブにも代表されるが、どう確率予報を使うかが、これからの研究課題である。今後、気象庁の計算機が更新され、数値予報の精度が向上したとしても、出てきた予報の使い道を考えるのは、やはり気象予報士の役割であろう。

6.長期予報利活用研究会、今後の計画
世話人の間で検討し、今後についてを現在計画中。まずは、これらの予報資料を読めるように各自復習して下さい。また、ホームページにはできる範囲で予報資料をアップロードしたい。(アップロード先は、別途検討中。)

この後、懇親会。
時間:17:20〜19:20
場所:「庄や」上野本店
参加者:16名
内容:長期予報の利活用の他、気象に関するさまざまな話題。

報告ここまで。

長期予報の勉強はこれで終わりではなく、これからが本格的研究のスタートです。皆さんの会社における具体的事例を元に、より実践的なテーマについて参加者の知恵を集め、長期予報の付加価値を創造してみませんか。

最後になりましたが、3回にわたり勉強会の資料を作成し、講師を務められました酒井様、この研究会の代表である並木様、 参考資料を準備・提供して下さった佐々木(恒)様、ホームページを作成して下さった岩田様をはじめ、 勉強会の開催・運営に携わった世話人の方々に深く感謝申し上げます。

以上、長期予報利活用研究会第3回勉強会の報告まで。
今後の長期予報利活用分野の発展を、心から祈念致します。

 

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