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気象実験(#20)

実験の様子を写真で紹介します。

Originated 2008-08/08 Last Updated 2008-08/30,09/30,10/24,11/25,12/04, 2009-4/28, 5/23, 10/01
EXPM20  空気ロケットを作る(ペットボトル、空気入れ、ジョロ、ゴム栓)
    ●=浮力ロケットを作る=浮力振動、密度成層の状態を破る、浮力を得た物体の運動
EXPM21  白雲を作る(ペットボトル+ゴム栓+空気入れ)
EXPM22 煙突効果(ダンボール箱+ペットボトル+線香)
EXPM23  空気の重さを測る(ペットボトル)
EXPM24  圧力計を作る(ビニールチューブ+水) 水位同一実験も同時に行いましょう。
EXPM25 バナナ1本のエネルギー(バナナ+話)登山に要するエネルギーはどれくらいか?食物のカロリーとできる仕事の分量 
EXPM26  太陽光線の熱(アルミ箔、針金) 太陽光線を放物面で受けて、温度を測る
EXPM27  土や水の保温効果(土、水、容器)
EXPM28  温度を空気で運ぶ(新聞紙+輪ゴム+ペットボトル+ヘアードライアー)
        =コンベヤーベルト、気流による物理量の運搬→天気変化。数値予報。気団変質。
EXPM29  エネルギーは力となる(ペットボトル+ビニールチューブ+水)、位置エネルギーと圧力エネルギーの相互変換。
 
#200 実験20    【【この実験は2008年8月に開始し、一時中断していましたが。     2009年4月になって、「切り離し部分」にヒントを得たので、#208にその様子を記載します。。】】    100円ショップで買ってきた空気入れを使って、空気ロケットを作ってみましょう。    仕掛けはごく簡単です。低圧でしかも噴出物は空気だけです。どの程度飛ぶでしょうか。 #201 実験タイトル=空気ロケット #202 実験の狙い=空気の力と運動量保存の法則を体感する   
ロケット、発射台、加圧装置の全景です。
ジョロを発射台代わりにしました。これで、2.1m飛行しました
ロケット本体と加圧装置の切り離し部分を接写しました。
空気入れ、空気入れの先端部、ゴム栓、ロケット本体の口元部 
#203 実験装置の製作 and/or 準備 ・ペットボトル、ビニールチューブ、空気入れ、ゴム栓、水    ・設計図を描き、組み立てる。    ・ゴム栓に穴をあける。    ・穴をあけたゴム栓と空気入れを連結する。    ・ゴム栓部をペットボトルに差し込む。    ・試行実験として、     まず500CCのペットボトルに200CC程度の水を入れ、     1ゲージ圧ほど加圧し、
水の噴出状況を実視してみよう。     ボトルを高く飛ばす程のパワーは感じられないが、とにかく、     「空気の加圧→水の噴出」の一連の手順と様子の確認ができた。      ボトルの耐圧性が不明なため、安全を考慮し、2ゲージ圧までとしよう。 #204 実験の実行と結果    ・ロケット本体を斜め上方を向くように、台座(ジョロ)に乗せる。    ・空気入れで空気を10回程度押し込む。    ・ボトルがゴム栓部から切り離され、ボトル本体が飛んでいく。    ・飛行距離は水平方向に、約210cmでした。  #205 実験を効果的に行うための工夫、注意点等    ・風船とボール紙で空気ロケットをつくり飛翔状況、特に飛行中の機体の     安定性を確認してみます→羽根を取り付ける位置や大きさの試行錯誤となるだろう。    ・風船を大きく膨らませるほど噴出速度が大きくなることは、     実験08空気放射器で確認することができます。 ・飛行距離、飛行高度を増すためには、もっと圧力を上げてやり、かつ噴出すべき「物質」を     今回のような「空気」だけでなく「水」をも噴出すれば、それだけ「運動量」の獲得が     大きくなるだろう。       このため、加圧装置で発生させる圧力に耐えられるだけの切り離し機構を作る必要がある。    ・今回のボトルの内圧は、押しこんだ空気量を考えると、高々1.5気圧(絶対圧)程度と推測されます。 ・一番の問題は、ボトル内の空気圧をたとえば2気圧まで上昇させた時、 いかに空気入れとロケット本体をスムーズに切り離すか、であると考えられます。    ・このための、水と空気の「噴出機構」and/or ロケット本体と加圧装置の間の 「切り離し機構」を工夫する必要がある。    ・さらに、発射台の設計や本体の姿勢制御方法も適切に行う必要がある。   ・金物店でゲージ付きの空気入れを見つけました。価格は1050円です。     これを加圧装置として利用し、「空気ロケットができそうだ」、と思いました。     ゲージの目盛りは、最大10Kg/cm2、とあります。10気圧です。 10気圧もの圧力を簡単に作り出せるなら、飛距離も相当得られるかもしれません。    ・しかし、ペットボトル自体の耐圧性能の限界があります。     Web上で、「炭酸飲料 企画 耐圧」でキーワード検索すると、いろいろ情報が出てきます。     温度条件によって異なるようですが、炭酸飲料用のペットボトルの耐圧は、     4気圧〜8気圧の様です。    ・人や構築物などに当たらないようにしよう。しかも、運動場や河川敷などの広い場所で実験しよう。    ・河川敷や運動場など広い場所で、できるだけ高く飛ばします。競技大会ができそうですね。 #206 実験の解説 and/or 関連実験    ・今回は、水を何も使わず空気の噴出圧力がロケット本体の推進力となった。    ・空気入れの先端とゴム栓の間、およびゴム栓とボトルの間は、     マサツによって、切り離し時点まで空気が漏れずに密着している。    ・今後も試作継続予定です。→#208 へ引き続いた。  #207 【考察等】 ・#205で書いた「切り離し機構」は、間欠泉のメカニズムや圧力容器の     安全弁の仕組み、と共通しているところがあると考えられます。    ・一番の問題は、蓄積した「圧力エネルギーの解放の仕方」をいかに     自然に行わせるかにあります。すなわち、水や空気などの自然界の     性質をうまく引き出し、利用する技術が望まれます。    ・さらには、間欠泉にあっては、水や空気が噴出したあとの     「締切作業」をいかに、周期的に行わせるかにあります。    ・既製品を買えば、発射装置の製作は不要ですが、そうしたくはない。     いろいろ考え試行はしています。難しい問題です。→#208 へ引き続いた。    ・なお、圧力が一定期間保持されるメカニズムは、気象の     capping inversion なる現象にもあるのではないか、と考えています。 #208 【追加実験】    ・「切り離し機構」をいかに簡単に製作し、かつ確実に作動させることができるか、     その点が大きい問題でしたが、飛距離を何十mも求めないならば、以下の簡単な方法があることに気づきました。    ・空気の圧力を利用する原理は同じです。    ・「切り離し部」としては、「ゴム栓」を使わずに2つのペットボトルを接続して、使います。    ・即ち、これらのボトルの底部を切り離し、胴体部分で、互いに「差し込める」ように     します。この技術は実験1 台風の海水面の吸上げ効果実験、で、ペットボトルを連結し、     その気密性が十分あることを確認しています。    ・装置全体、および細部の写真です。          ・空気入れで加圧すると、一方のボトルが飛んで行きます。     飛行距離は5m〜11m、でした。    ・胴体に羽根を付けたり、長さや直径等の形状を工夫すると、もっと遠くまで     飛ばすことができそうです。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#210 実験21    気象予報士定番の「雲を作る」実験です。いろんなやり方があります。    また、結果はその時の加圧条件や気象条件にも左右されます。    本実験では、断熱膨張を実現するためペットボトル内部の空気を加圧し、    栓を一気に引き抜いて膨張させる方式を採用しています。 #211 実験タイトル=白雲を作る #212 実験の狙い=空気中に水蒸気があることを目に見えるようにする #213 実験装置の製作 and/or 準備 ・500CCのペットボトル、ゴム栓、空気入れ #214 実験の実行と結果 ・ゴム栓に穴を開けます。千枚通しとか太い釘をガスで加熱して、     ゴムの中心部分に突き刺すと、比較的容易に穴が開きます。    ・空気入れは、写真のような100円ショップで売っているもので十分です。    ・空気入れの先端に先のとがったノズルを取り付け、ゴム栓に突き刺し、     栓をボトルにはめ込みます。これで写真のように全体が連結されます。    ・空気入れで加圧していきます。絶対気圧=2気圧程度で栓を一気に抜きます。    ・ボトル内部に「白雲」が生じ、雲がモヤモヤうごいています。    ・圧力が高いほど白雲となりやすいです。    ・加圧した時は、ボトル内部は透明になり、減圧した時は内部が白濁します。    ・水も、線香の煙も不要です。 #215 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・空気を入れる人、ボトルを保持する人の2人で行うとよいでしょう。    ・栓を抜くときには、ゆっくり抜かずに、一気に抜くことが肝要です。    ・湿度が低い時には、この実験は成功しにくいかも知れません。 #216 実験の解説 and/or 関連実験    ・ボトル内の空気は、蓄えた圧力エネルギーを一気に解放するとき、     系(ボトル)の外部に対し「仕事」をします。    ・このとき、空気は、外部と熱の授受を行っていません。 ・すなわち、空気は断熱的に膨張し、自分自身の温度を下げます。     この下げた温度が、ボトル内部に存在していた水蒸気を液化・凝結させ、     微小な水滴を形成させました。    ・ゲージ付きの空気入れを使うと、加圧時の圧力が分かります。    ・また、室内の気圧、気温、湿度は測定可能な物理量です。ボトル内の露点温度を     算出し、知ることができます。(エマグラムがあると便利です) #217 【追加実験、考察等】    ・以下4例あげます。    @加圧の方式を、密閉したペットボトルの胴体を両手で強く押してへこますことによって実現します。     このときの減圧の仕組みは、ペットボトルの材質自身が持っている原状への形状復帰能力     によります。水が必要です。雲ができにくい時は、「核」とするために、線香の煙を少々ボトルの中に入れます。     この方式は、ほとんど確実にできます。     写真左:押して加圧(ボトル内部が透明になる)。写真右:手を緩めて減圧(ボトル内部に白煙が生じる)。    A加圧不要な方式として、ワインセーバーを使ってボトル内部の空気を減圧してもよいでしょう。     この方式は、雲のでき方があまり明瞭ではありませんでした。     しかし、線を抜いたときにボトル入口付近の雲が透明になっていく様子が観察されました。 写真(全景、ピストン操作で減圧、栓をぬいて元の気圧に戻した)    Bデモ効果を狙うなら、加圧・減圧に風船を使ってみましょう。     風船を膨らませ加圧し、細いメスシリンダーに連結し、針でつついて破裂・減圧させます。     騒音公害にならないような配慮が必要です。風船の消耗が不経済である欠点があります。     この方式は、結果が明瞭ではありませんでした。 写真(膨らませた風船を連結し加圧、破裂させて減圧)    Cガラスコップに冷水を入れ、空気中に放置します。     空気中の水蒸気はコップの壁面で、「露点温度」にまで冷やされ、水滴となります。     この方式は、確実にできます。 写真(常温放置、一定時間経過後露点)    ★飛行機が音速を超えるとき、こんな雲ができるのです。(NASAの画像です)     NASA画像    先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#220 実験22    工場、発電所、蒸気機関車、銭湯などには(高い)煙突がつきものです。    煙突は、燃料の燃焼を加速する装置です。    これを実験で確かめてみよう。 #221 実験タイトル=煙突効果 #222 実験の狙い=煙突効果を体感する
煙突上部と支えの箱
煙突下部と灰皿
#223 実験装置の製作 and/or 準備 ・ダンボール箱、ペットボトル、線香、灰皿 ・ペットボトルの底部を切り離し煙突の本体にします。     長さが足らなければ、ペットボトルの胴体部分を継ぎ足します。    ・煙突の本体を支えるため、実験03の空気砲の箱を使います。 #224 実験の実行と結果    ・実験実行時の気温=29℃、湿度=74%、室内で実験したので     風はほとんど無風でした。 ・線香(約4cm長さ)に点火し、灰皿に立てます。    ・ペットボトルの底部(即ち、煙突の下部に相当)に線香を置きます。    ・線香の燃え尽きる時間を計測します。約6〜7分でした。    ・煙突の上部に蓋をします。    ・同様の実験を繰り返し、燃え尽きる時間を計測します。     約7〜8分でした。 #225 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・煙突の機能は、煙突の下部と上部の間で、いかに対流を促進     させるかにあると考えられます。    ・煙突の上部に蓋をしたのは、煙突の機能をわざと無くなる     ようにするためでした。    ・対流を良くし、暖気が大きな浮力を得ることができるように     装置全体の構造を設計します。 #226 実験の解説 and/or 関連実験 ・煙突の機能は、いかに効率よく燃焼を促進するかにあります。    ・このためには、新鮮な空気、特に酸素を含んだ空気の効果的な     供給ができるように環境を整える必要があります。    ・線香が燃焼し、加熱された空気が煙突下部に停滞していると、     酸素の供給が不十分となります。    ・燃焼室および煙突を適宜に設計すると、空気の流入が効果的になります。    ・高層ビルでは、「煙突効果」により、火災が下層階から上層階へと燃え     広がる可能性が大きいので、それなりの空気の移動を遮断する装置が     必要となります。     ・この実験では煙突の有無により燃焼時間がそれぞれ、6〜7分、7〜8分     となりました。これらの値に有意の差があるか否かは、もっと実験を     精密に行って判断すべきものと考えます。    ・燃焼の速度は、燃焼室の構造、煙突の長さ、直径、煙突上部の空気の     流速などに影響される、と考えられます。      ・ペットボトル本体と灰皿との間の隙間から新鮮な空気流入します。    ・ペットボトル本体を上下してこの隙間を調整すると、煙が勢いよく出たり、でなかったりします。 #227 【追加実験、考察等】    ・その後、装置を変え、装置全体を小型、かつ操作容易にして、実験をしました。     ダンボール箱は使わず、下の写真のようにペットボトルと線香を使います。    ・この実験において、大事なことは、線香の煙だけでは「煙突効果」は生じません。     線香に火が付いていて、その周りの空気が熱せられ、上昇する必要があるのです。
装置全景。空き缶に砂を入れて線香立てとした。
ボトルを上げると、下部は外気にさらされる。
ボトルをかぶせると、煙突下部から空気の
流入がなく、煙突出口での流速小。
ボトルを持ち上げると、煙突下部から空気の
流入があり、煙突出口での流速大。
       
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#230 実験23    空気の重さを空気中で測ろうとすると、浮力の問題が生じて、測る ことができません。    空気を液体にすれば、測れますが、本実験では手が届きません。    また、空気を液化しないまでも、容器などに空気を入れて圧縮して    測る方法もありますが、加圧装置の準備が大変です。    また空気の重さがあることは、実験02の大きな空気袋を投げて、    それを受け止めるとき若干の手ごたえを感じ、そこに重さの存在を    知ることができます。    ともかくも、実験05で採取した山の空気の重さはどれだけでしょうか。 #231 実験タイトル=空気の重さを測る #232 実験の狙い=空気の重さを数値で知る #233 実験装置の製作 and/or 準備 ・0.5リットルのペットボトル、気圧計、温度計 #234 実験の実行と結果 ・採取時点での空気の圧力と温度を計測する。    ・小学生には難しいが、「理想気体の状態方程式」を     用いると、小学生レベルの算数で算出できる。  #235 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・山で空気を採取しなくても、自宅でも可能です。    ・近くの気象台で現在の気圧を教えてもらい、同時に     自宅での気温を寒暖計で測ります。 #236 実験の解説 and/or 関連実験 ・気象予報士には常識の理想気体の状態方程式ですが、 この方程式を気象予報士が気象の予想のために使うことは     ないかも知れません。    ・しかし、この方程式をつかえば、空気に限らずあらゆる気体の重さ     というより、「質量」を算出できます。    ・PV=nRT の式です。    ・個々の変数の「単位」を教科書や数表などで求め、式にあてはめて     計算すると、nの単位は「Kg」となります。    ・空気の質量は、式を変形して、n=PV/RT となります。    ・観測値:気圧870hPa、気温=30℃。ボトルの容積=0.5Lとして、 P=87000Pa=87000Kg/ms2、V=0.5x(1/1000)m3、R=287Kgm2/s2KKg、T=(273+30)K     を代入すると、n=0.0005002 Kg となります。    ・即ち、ペットボトルの中の空気の質量は、0.5002グラムです。 #237 【追加実験、考察等】    ・空気の重さを測るには、「重さを測る秤」で測ることができれば、それに越したことは     なく、気分的にもすぐに納得できるのですが、あいにく精密な目盛りを持つ秤を購入するには、     資金がありません。この実験では、次善の策として、「PV=nRT」 の式で、P、V、R、Tを既知     とすれば、n (即ち、質量)が、計算で求められることに着目したのです。    ・念のための検討:上の実験で、 P=101325Pa、V=1.0m3、R=287Kgm2/s2KKg、T=273K とすると、     n=1.2932Kg となります。 これは、標準状態(0℃、1013.25hPa)における空気の密度にほかなりません。     ・温室効果ガスとしてよく話題になっている炭酸ガス(CO2)の重さ     を測るには、固体のCO2(ドライアイス)をそのまま秤で測ること     ができます。この固体の炭酸ガスを水中で、大きな透明な容器の中で     気化させます。    ・ドライアイスが気化すると、容器内の水がCO2によって置換されます。     その時の容積および、気圧、温度を計測すれば、本実験の計算式に     あてはめて、質量算出が可能です。計算値は固体のときの重さと     等しくなると考えられます。    ・冷蔵庫で作った氷についても、まったく同じ考え方ですね。 ・理科年表を見ると各種の気体の密度や比重の値が掲載されています。     ちなみに、二酸化炭素の密度=1.977、比重=1.529 となっています。    ・実験01で台風が海水を吸い上げる実験を行いましたが、その実験で、 ペットボトル全体を持ち上げてみてください。 台風が海水を吸い上げる力が実感できます。 ・その重量は、台風による気圧低下分だけの空気の重量と同じであるから、     間接的に空気の重量を感じることになります。     PV=nRTの関係式は、空気の重量(質量)は気圧に比例する、と言っている     ことを、念のため確認願います。       先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#240 実験24 水銀気圧計は密閉管路における水銀の重量と管路外の空気の圧力の力の    釣り合いで、気圧を測定します。    では、水銀の代わりに水を使って、どのようなにして圧力を測定できるか、    やってみましょう。それは、空気の圧力(1気圧)を基準値とした場合、    その基準値からの隔たりを計測することによって実現しす。    なお、圧力を計測は、(1)密閉容器内部の圧力、(2)密閉容器外部の圧力、    のいずれかが対象になることに注意してください。    どちらを対象とするかによって、実験装置の作り方、準備の仕方が異なります。 #241 実験タイトル=圧力計を作る #242 実験の狙い=圧力計測装置を作り、気圧を実測し体感する
圧力計、全景
圧力計、容器内圧力±0=空気圧
圧力計、容器内圧力−水位差=空気圧
圧力計、容器内圧力+水位差=空気圧 (実験01と同様です。
#243 実験装置の製作 and/or 準備 ・ビニールチューブ、容器(ペットボトル)    ・ビニールチューブに水を入れて、容器とチューブでU字管を構成する(写真上左)。    ・ビニールチューブを鉛直上向きにする。    ・完成した装置の全景を、写真の上左に示します。 #244 実験の実行と結果 ・最初は写真上右のように水位が同じです。    ・その内部の圧力を変化させると、写真下左右のように、チューブと容器において、水位に差が生じます。    ・容器内部の圧力変化は、ボトルの蓋を通したビニールチューブから空気を吹き込んだり、     或いはボトル内部の空気を吸い出したりします。     或いは、空気の吹き込み、吸い出しでなく、別途測定対象とすべき容器をビニールチューブ     で連結して圧力計測することもあります。 #245 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・ビニールチューブから水がこぼれださないよう、ある程度長いチューブを用意します。 #246 実験の解説 and/or 関連実験 ・構成されたU字管の左右の水位の差は、測定対象物の容器内の圧力が装置の周りの空気の圧力に比較して、     どれだけの「圧力差」があるかを示します。     工場や、機械装置などに多用されている圧力計と同じ働きです。    ・水位1cmの差=圧力1hPa の差に相当します。従って、たとえば、写真下右のように(装置の周囲の気圧を     1016hPaとするとき)、チューブの水位が10cm 低くければ、容器の内部の圧力は、1016-10=1006 hPa となります。    ・この状況は、
実験01、台風の海水面の吸い上げ効果 の実験と同じです。    ・水位同一実験の写真です。     ペットボトルは大気圧に開口してあります。     写真@ABのいずれにおいても細いチュープの最下部(▲)において、左右の圧力は同一です。     このとき、チューブおよびペットボトルの口径の大小にかかわらず、水位は「太い」ほうと、     「細い」ほうにおいて同一です。    ・写真@またはAにおいて、口径の細いチューブから息を静かに吹き込みます。     口径が細いほうのチューブの水位は低下し、太いほうのペットボトルの水位が(ごくわずか)上昇します。     このとき、▲の位置における左右の圧力は若干増加していますが、同じ値です。      #247 【追加実験、考察等】 ・飛行機に装備される速度計は、ピトー管と呼ばれ、基本的にはこの実験と同じ発想のものです。 子どもたちが、ピトー管で遊んでいます。    ・実験01、台風の海水面の吸い上げ効果実験04、マリオットのビン実験14、ヘロンの噴水 などの実験その他の実験に     おいて、ペットボトル内部の圧力をかなり正確に計測できます。  先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#250 実験25    人間は空腹になると、「力」が出なくなり、思考力も低下します。    自分のお腹が「グーグー」言い出したら、それは、生命維持装置が    「エネルギー注入」のための注意報を出し始めたことを意味します。    自然界に存在する空気も動くためには、「力」や「エネルギー」が    必要です。さてそこで、バナナ1本食べるとどれだけの力が出るのか、    それをどのように実感できるのか、山に登っての体験的実験を行って見ました。    (失笑と嘲笑を買う実験かもしれません。。) #251 実験タイトル=バナナ1本のエネルギー #252 実験の狙い=エネルギー注入でどれだけ動くことができるか、人体実験です。
バナナ、皮つきで160グラム、皮をむいて110グラム
バナナをリュックに入れて、山に登る
#253 実験装置の製作 and/or 準備 ・バナナ、秤 #254 実験の実行と結果 ・自分の経験では、夜7時に夕食をとって睡眠し、その翌朝5時〜7時の     2時間ウォーキングするとき、歩き始めは空腹感はありません。しかし、     2時間経過するころ空腹を覚え、腹が「グー」、「グー」となり始めます。     この経験から、「グーグー」なり始めたときにバナナを1本食べ、さらに     歩き続け、次に「グーグー」言うまで、あとどれだけの時間歩くことが     できるか、多摩川の河川敷を歩いて、自分の体(体重約63Kg)で試して     みました。経過時間は約1時間、距離は約5000mでした #255 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・個人差が大きいので、何度か試行してみよう。 #256 実験の解説 and/or 関連実験 ・サイエンスの実験としては不適切な方法かも知れませんが、実生活上切実な問題を含んでいます。 #257 【追加実験、考察等】 ・バナナ1本で約80キロカロリーの熱が生じます。 ・人が、自分の体重+かつぐ荷物で、トータル重量100Kgで登山するとき、     10m上るために必要なエネルギー(仕事)は、 仕事=力*距離    =(100*9.8)*10=9800 kg*(m/sec2)*m       =9800J=9800/4.2cal=2333cal=2.333Kcal です。 従って、10m上がるためには、バナナをほんの一口だけ(2.333/86≒3%)食べれば十分です。 これは、1Kgの空気をおよそ1000m持ち上げるエネルギーに相当します。 バナナ1本(100gで86Kcal)食べると、約370mの高さまで上れます。     バナナはずいぶんと「力持ち」ですね。     昔「一粒300m」と表示された、キャラメルがありましたが、今も売られているのでしょうか。     上記計算の同じ人が同じ重量の荷物を担いで、秒速1m(すなわち、1m/sec)で、歩くとき、 運動エネルギーを算出してみましょう。(2つの異なった計算方式を考えます)     【計算方式1】     人間が歩くと言う運動を起こさせる物理的な力を、靴と地面との間の摩擦力と考えます。     このマサツ力による運動は、1歩ごとに1m歩くとして、この1mの間で、 しかも1secの間に、初速0m/secから最大速度1m/secになる加速度運動を繰り返すものとし、     こうして得られる加速度=1m/sec2 となり、この加速度で1sec歩くときの距離は1mとなります。      摩擦力=0.6*100*1 Kg*m/sec2  (ただし、摩擦係数を0.6と仮定しました)      歩いた距離=1m  以上より、1歩で1m、1sec歩くことに要するエネルギーは、     仕事=エネルギー=力*距離=(0.6*100*1)*1=60 Kg*m2/sec2=60/4.2=14.28cal         もし、地面と靴の間にバナナの皮があると、摩擦力は極端に減少し、         人は滑ってしまい、前進できなくなります。     【計算方式2】     一方、エネルギー保存則の運動エネルギーの式を適用できるとした場合、     平均速度を1m/secとして、1secの間に与えられたエネルギーを消費してしまうものと考えます。     運動エネルギー=(1/2)*100*(1*1)=50Kg*(m/sec)*(m/sec)            =50J=50/4.2=11.90cal     となります。     この場合の人間の歩行を前進させる力はどこから生じたのでしょうか。     もちろん、食物が前進させるエネルギーになっています。他にはありません。     そして、人体に蓄積されたエネルギーが脚の筋肉を収縮させ、足を前後させます。     人の足の底にある「靴」が脚と地面の力の伝達を行います。地面は体重に応じた     摩擦力を靴に与えます。     なお、風は人間の歩行速度に影響を与えますが、これは別の議論となります。     以上、どちらの計算方式でも、大きな差は生じていないことが分かります。 計算方式2のエネルギーで、3600sec(1時間)歩き続けると、     11.90*3600=42857cal=42.857Kcal となります。     この値は、人間を単なる物体、質点と考えた場合の運動をごくラフに考えて算出したものです。     実際には、以上のほかに、人間の体を維持するためのエネルギーや、歩行ごとの体の上下動を     起こさせるためのエネルギー(すなわち、位置エネルギー)も見積もる必要があります。     以上、この実験の追加的な考察として、人間が歩くときのエネルギーの算出の仕方を     筆者なりの考え方で、ここに提示したものです。 
食物を摂取したときに得られるエネルギー量及び消費エネルギー量(Kcal)を掲載します。
食品成分:

ごはん    1杯(110g)*注 184 牛乳     200cc     134 パ ン    1枚(60g)   131 ロースハム 1枚(15g)   29 ジャガ芋 1個(140g) 106 木綿豆腐 100g     72 砂糖    大匙1杯(10g) 38 納豆    1個(50g) 100 卵     1個(50g)    76 焼き竹輪 1本(30g)    36 植物油   大匙1杯(14g) 129 サンマ   1切(60g)   186 バナナ   1本(100g) 86 こんにゃく 1丁(200g)   14 サバ    1切(70g)   141 牛もも肉 1枚(50g) 123 豚もも  1枚(50g)    76 鶏ささみ 1本(40g)   46
上記の値は、あちらこちらの Web Siteから拾った。詳細は、 食品成分表(文部科学省) を見てください。 学校の教科書にも記載があり、 エネルギー所要量や消費量の 掲載もあり、参考になります:
コンビニやスーパー等で買ってきた食品

(値は、包装紙や容器の表面に記載されて いた数値を転記或いは、換算等して算出)
おにぎり 1個(110g)*注 175 赤飯おにぎり 1個      222 寿司(サラダ巻き)5個   364 寿司(いなり寿司)5個   589 ジャムバン  1個      289 インスタント焼きそば(135g) 590 クッキー  16枚(合計136g) 704 ピーナツチョコ  (合計80g) 455 チョコレート  8粒(合計43g) 254  (マカダミアナッツ入り) スライスチーズ 1枚 (18g) 56 ヨーグルト 1個 (80g)  92 ポカリスエット 1本(500CC)135 カルピスソーダ 1本(500CC)210 ファンタグレープ1本(500CC)240 ビール 1缶(350CC)146
*注: おにぎりの重量は、包装紙に記載がない ので、自宅で計測した。又、梅干しとか シャケ等具によって多少の大小差がある。

付加運動のエネルギー消費量*注
(Kcal、1時間あたり)

ゆっくり歩行   90  (買い物、散歩) 普通歩行    130 自転車      160 ゴルフ平地    180 サイクリング  200 急ぎ足     210  (通勤、買い物) 階段昇降    280 テニス     360 スキー     360 登山      360 サッカー    420 縄跳び     480 ジョギング   510  (160m/分) ランニング   720  (200m/分) 水泳平泳ぎ   600 水泳クロール 1200
*注: 上記数値は、図説食品成分表  一橋出版、1990から抜粋引用した。 (20代の男性体重60Kgの場合) たまたまみつけたWeb Siteから: 基礎代謝量計算式 体脂肪燃焼 厚生労働省のエクササイズガイド: 「健康づくりのための運動指針 2006  〜生活習慣病予防のために〜」 (エクササイズガイド 2006  厚生労働省2006年7月策定)
上記の数値を使って、登山した場合の体重の減量を推定してみます:
富士山を、5合目須走り起点で、頂上まで往復した場合、
(ただし、体重減量=体脂肪減量とし、体脂肪1Kgのエネルギー=
7000Kcal と仮定します。)

■摂取するエネルギー: 食糧(5回の食事)≒おにぎり10個相当≒2000Kcal 菓子類、スポーツドリンク≒1000Kcal と仮定します。 ■消費するエネルギー: 登山=360Kcal、登山往復時間≒14時間、 360x14=5040Kcal (但し、富士登山は、高度2500〜3780mの低酸素濃度の中で 行うので、360Kcalよりももっと多くエネルギーを消費する と想像します。自分の疲れの程度から判断すると、普段歩行 している平地での値の3倍以上あると想定されます。) ■体重の減量値: 差し引き、 5040−(2000+1000)=2040Kcal 2040÷7000≒0.29 Kg と算出されます。
個人差は大きいが、およそ0.3Kgの体重減が期待されます。 筆者の富士山登頂経験(2007年10月)では非常にラフですが、 1Kg程度の体重減量でした。いっぺんに減量するのは、 とても大変なことを実感しました。
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#260 実験26    太陽光線は、プリズムを通すと、下の写真のように分光されます。        太陽光線の中には目に見える光線(実験53、大きな虹をつくる)や、眼には見えないが、熱を持っている赤外線などがあります。    この太陽光線を放物面で受けて、温度を測ります。 #261 実験タイトル=太陽光線の熱 #262 実験の狙い=太陽光線の熱を体感する #263 実験装置の製作 and/or 準備 ・お菓子や紅茶の袋の内張りになっているアルミ箔を集めます。ほかに針金4本を用意します。    ・針金を曲げて、放物線の形状にします。    ・この放物線形状の針金にアルミ箔をテープで貼り付け、放物面をつくります。 #264 実験の実行と結果    ・太陽が出ているとき、装置を太陽光線の方向に向けます。    ・温度計を、放物面の焦点の位置に置きます。    ・やがて、温度が上昇してきます。 #265 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・温度上昇は、周りの気温の影響を大きく受けます。     できるだけ、風の静かな日に行うか、室内の日当たりの良いところで実験します。    ・可燃物を近くに置かないようにしてください。 #266 実験の解説 and/or 関連実験 ・太陽光線が放物面により反射されて、焦点に集まります。    ・焦点に集まった電磁波が、温度計を温めます。    ・以下実測値です。
実験
番号
最高
温度
ベース
温度℃
室温
天気室外の風
室内の風
年月日
時刻
26-1452821快晴微風2008Nov.17
11:10AM
26-2462421快晴0m/sec2008Nov.21
10:40
    ただし、最高温度=放物面の焦点の位置に温度計を置いた、         ベース温度=室内の日光のあたっている空間に温度計をおいた、         室温=室内の直射日光の当たらない壁に掛けた温度計の示度 #267 【追加実験、考察等】 ・アルミ箔の表面には、凹凸があって、反射性能がよくありません。    ・放物面鏡や虫眼鏡を使うと、効率的に熱を集めることができる可能性があります。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
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#270 実験27    空気や水や土は温度を保有していて、それらの温度は気温に大きな影響を与えます。    この実験では、水と土の保有する温度の時間変化を計測し、保温性能について検討します。 #271 実験タイトル=水や土の保温性能 #272 実験の狙い=水や土の保温性能を知る。 #273 実験装置の製作 and/or 準備 ・水と容器(20Lのバケツ)、植木鉢に入っている土、棒温度計2本、放射温度計、風速計を用意します。 #274 実験の実行と結果 ・空気、水、土の温度を毎時計測します。    ・測定値を示します。    ・測定実施日時:2007年04月12日、09時〜20時、測定地点=神奈川県川崎市高津区、温度の単位は=℃
測定対象09h10h11h12h13h14h15h16h17h18h19h20h
天気
雲量(10分位)
風m/sec
晴れ
3
0
曇り
7
0
晴れ
7
微風
曇り
8
2
晴れ
7
3
晴れ
1
1~3
薄日
10
3
晴れ
1
2~3
晴れ
1
2~3
晴れ
3~5
2
晴れ
-
2
曇り
9
1
日陰の空気
気温
湿度%
壁面温度

15
54
15

15
42
16

18
39
17

18
37
18

19
32
20

21
29
20

20
21
21

21
30
19

18
36
21

16
44
18

15
48
17

16
52
16

表面温度
水面下2cm
水面下10cm
水面下20cm

11
12
12
12

17
18
17
16

18
22
21
20

18
22
22
22

22
24
25
24

22
26
26
27

24
26
27
27

19
25
25
25

18
23
24
24

19
21
22
22

15
19
--
20

15
18
--
19

表面温度
深さ2cm
深さ10cm

11
13
11

28
21
14

41
25
18

28
25
21

42
27
24

45
31
26

29
29
28

22
27
27

18
24
26

15
23
25

12
20
23

13
19
21
#275 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・自然の通風のある空間での実測としました。    #276 実験の解説 and/or 関連実験    ・夕方17時以降の水と土の保温性能を計測値から検討します。この実験で見る限り、土のほうが良好でした。     水と土の比熱はそれぞれ、3.9と0.8(J/K・Kg)であるから、水のほうが保温性能が良いか、と推定して     いましたが、実際は土のほうが保温性能が良かった。    ・この原因は、水の表面に微風があったため水面からの蒸発が促進され、容器の中で対流が生じ、     底のほうの水温も比較的早期に水面から逃げたものと考えられます。 #277 【追加実験、考察等】    ・実験を通風の無い室内で行うと、また異なった実験結果(値、傾向)となる可能性があります。、 ・物体が熱を失う実験としては、ニュートンの冷却の法則があります。  
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================================================= #280 実験28    空気や水は、物を運搬することに使われます。川の上流で切った材木は、川に浮かべ、流れによって下流へ    運ばれます。鉱山では、セメントを何キロメートル先にある船着場まで運ぶのに、セメントに空気を含ませ、    流動化しやすくし、空気の流れで、重たいセメントを運搬します。    気象の世界においては、暖かい風、冷たい風、湿った風等々、風はその中に温度や水蒸気などを含んで吹いてきます。    運ばれる温度や水蒸気は、風が吹いて行く先々の地点において、気象条件を変えるので、したがって、天気の変化が    起こります。冬のシベリアからの乾燥した季節風は、日本海を渡るときに、暖かな対馬海流から    温度と水蒸気を得て、気団変質し、日本に上陸し、大雪を降らせます。 この実験では、温度を空気で運び、風速と温度を計測します。そして温度を予想する原理に言及します。    この実験は、単なる遊びではありません。お天気の変化を議論する上での大変基礎的・原理的な実験となります。 #281 実験タイトル=温度を空気で運ぶ #282 実験の狙い=温度を空気で運び、温度変化を観察する。          合わせて、温度変化の予想の原理を知る。 #283 実験装置の製作 and/or 準備 ・新聞紙、輪ゴム、ヘアードライアー、棒状の温度計2本、風速計を用意します。    ・新聞紙を丸めて、筒状にし、輪ゴムで丸い形を保ちます。    ・写真のように新聞紙の筒の先端と後端(50cm離す)に棒状の温度計を差し込みます。    ・先端付近にヘヤードライヤーを、後端に風速計を設置します。 #284 実験の実行と結果 ・ヘアードライアーのスイッチをONにして、まず、室温での送風を行い、風速が一定であることを確認します。    ・次に、温風を送りはじめ、10秒間隔で、先端と後端の温度を計測します。    ・この実験では90秒間、送風しました。    ・測定値を示します。
経過時間sec先端温度℃後端温度℃風速m/sec
0022223.7
1033253.7
2040283.7
3045313.7
4049343.7
5053373.7
6055393.7
7057413.7
8059433.7
9060443.7
#285 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・送風装置としてヘヤードライヤーが無い場合は、暖かな空気を大きな袋に入れ、     新聞紙の筒の先端からゆっくりと送りこみます。      #286 実験の解説 and/or 関連実験 ・この実験では、温度を空気の流れを利用して運搬しました。    ・新聞紙の筒の中を流れた空気は、気象学で言う「ウォームコンベヤーベルト」に相当します。     この実験における流れの動力は電気エネルギーです。ウォームコンベヤーベルトの動力は、気圧の差、     或いは温度の差が、空気を動かす力となります。        ・鉱工業の世界では、さまざまなコンベヤーが使われています。気象の世界でも、さまざまな     空気のコンベヤーベルトを考えることができます。    ・
「コンベヤーベルトの概念」「コンベヤーベルトの概念」(続き)、に関しては、こちらで解説しています。 #287 【追加実験、考察等】    ・私たちは、自分が存在している空間において、「空気の流れが現在発現している状況」を把握し、     その物理的状態から、「将来の状況を予想すること」が、自然界の法則(物理の法則)によって可能です。     ・気象空間では、気流が物理量を運搬すると考え、物理量(たとえば温度や湿度)を観測し、数値計算を行うこと     により、将来の物理量(温度)を予想値として算出することができます。     上の写真と同様の装置ですが、空気の通り道にペットボトルを置き、ペットボトルの下部に温水を置き、     湿度を加えられるように工夫した装置です。         ・数値計算による物理量の予想の仕方に関しては、天気図と気象理論、P122数学的準備、に概略紹介してあり     ますので参照して下さい。    ・具体的な数値計算をおこなっている例数値計算の説明は、こちらに掲載しています。     ・数値予報の基礎的な事項として、プリミティブ方程式と格子点の解説、積分時間とCFL条件の解説も参考にして下さい。    ・現象の変化は、すべて物理量の移動によって生じます。物理量の変化を扱う上で必須の概念が「移流」です。     この「移流」に関しては、天気図と気象理論、P56移流移流(続き)、     および大気の流れ、P56移流を参照して下さい。    ・さらに、関連する(熱エネルギーを運搬すると言う)話題として、太陽放射の解説、熱伝達には4種類あることを解説しています。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
#290 実験29 #291 実験タイトル=エネルギーは力となる #292 実験の狙い=エネルギーは力となることを実証する #293 実験装置の製作 and/or 準備 ・ペットボトル、ビニールチューブ    ・ペットボトルの下部に、ビニールチューブを接続する。 #294 実験の実行と結果    ・ペットボトルに水を入れ、チューブの高さより少し高くまで入れる。蓋をしっかりしめる。    ・ペットボトルの側面に熱を加える。     (手の平、ヘヤードライヤー、太陽光線など、何でもよい。)    ・ビニールチューブ内の水(水位)が上昇します。 #295 実験を効果的に行うための工夫、注意点等 ・加えた熱がボトルの上部から逃げないよう、気密をしっかり保つようにします。    ・ペットボトルの体積変化がないものとして実験しますが、実際にはボトルの体積も     変化します。厳密に観測すると水位は複雑な変化をするように見えます。     これは、空気の膨張の程度とプラスチックの膨張の程度が異なるものと考えます。 #296 実験の解説 and/or 関連実験 ・空気は、熱を加えられると、体積が一定の場合、圧力が増加します。    ・圧力は力となって、この圧力に接している物体は力を受け、押されます。    ・すなわち、ペットボトル下部の水は、空気の圧力に押されて、ビニールチューブ     へ、水を押し上げます。    ・水を1cm押し上げるためには、1hPaの圧力が必要です。 #297 【追加実験、考察等】 ・逆に、力がエネルギーになります。    ・物体に力を加えると、遠くへ投げたり、上に持ち上げたり、容器をへこませて圧力を変え     えることができます。力がさまざまな形態のエネルギーへと変換されます。    ・これらのエネルギーに関して、ベルヌーイの定理は、     運動エネルギー+位置エネルギー+圧力エネルギー=一定、であることを示しています。    ・熱エネルギーはガリレオ温度計においても利用されています。    ・#B3、実験、遠心力と重力の釣り合い、においては、回転物体の運動エネルギー=物体を鉛直方向に移動させる位置エネルギー、である     ということが実感できます。     mgh=(1/2)mv2 のエネルギー保存の法則が適用できます。     この方法は、ジュールの実験よりも手軽にできます。 先頭へ戻る 気象科学実験教室、一覧表 キッズの気象実験、一覧表
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